暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
Ep29それは少し前の出来事〜Return〜
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かった。もっとどこかに遊びに連れていってほしかった。ただ、お母さんが居てくれるだけで良かった。

「それに、新しく家族になったチンク、ディエチ、ノーヴェ、ウェンディ。あなた達とも一緒に過ごしてみたい。一気に娘が増えて、おかーさん、すごく嬉しい。一緒に買い物に行ったり、時にはケンカしたり、好きな人が出来たとかの相談に乗ったり、そんな笑っていられる家族。そんな時間を・・・私は、望んだ」

「母上・・・」「お母さん・・・」「ママリン・・・」

チンク達は少し躊躇いながらそう母さんの事を呼んだ。お母さんはかぶりを振って「はい」と綺麗な笑みを浮かべた。チンク達から緊張が抜けていくのが分かる。私は涙を拭って、しっかりと母さんを見詰める。

「それが、お前の目的なのか・・・」

「・・・ううん。それはこの世界に存在する私の未練(おもい)。私の目的(ねがい)は別」

と思ったら違っていた。母さんの目的は別にある。この場にまた緊張感が漂う。

「あなた達が今後、管理局の闇によって壊されるかもしれない。そんな最悪の未来を来させないようにするために、私はテスタメントに居る、居続ける。管理局の有する闇を、その闇によって謀殺された幹部(わたし)たちの手で、消し去る。時空管理局の改革。それが、私の目的であり・・・」

「僕の目的でもあります」

母さんに続いて、今まで黙って見ていてくれたティアナのお兄さんがそう言った。管理局の改革。“テスタメント”の幹部の大半は、生前が管理局員だという話も聞いている。管理局に謀殺された。それが今度は私たちに及ぶかもしれない。そんなもしかしたらな未来を無くすために、母さんは存在していたということだった。

「だから、スバルにも言ったの。私たちの改革が終わるまで待っていなさい、って。結局、あの子がどういう選択をしたのかは判らないけど・・・」

母さんのその言葉に、私は口を開いていた。

「スバルは、母さんと戦う覚悟を決めました。だから、きっとスバルは母さんと戦います」

私のその言葉に、母さんは何かを言おうとしたようだけど、口をつぐんで驚いたような表情になった。

「六課と五課が、私たちの本拠地に攻めてきたって連絡が入った。フフ、ギンガの言う通り、スバルは私と戦う覚悟があるみたいね」

母さんは踵を返す。転移する気だと瞬間的に判ったから、母さんの元に駆けだす。手を伸ばす。母さんの背中に。

「ギンガ。私が、あなた達の未来を守るから」

「母さん!!」

母さんの姿が完全に消える。伸ばした手は空を切り、勢いの付いた私は足がもつれて転倒する。すぐに顔を上げた先には誰もいない。それが、私たちナカジマ家と母さんとの初の顔合わせだった。

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§ルシリオンとリ
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