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魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
Ep29それは少し前の出来事〜Return〜
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ちらにしても泣き顔に歪んだ。
「久しぶり、
ゲンヤ
(
おとー
)
さん。ギンガ」
†††Sideギンガ†††
母さんが現れたと知った日から映像でしか見たことのなかった母さんがそこに居る。目頭が熱くなる。視界が涙で滲む。
「大きくなったね、ギンガ。それに、すごく綺麗になった」
そう言って微笑む母さん。子供の頃に見せてくれたままの笑顔だ。そして今度は父さんに視線を向けて「男手ひとつでよくこんなに綺麗に育てられたね」と少しからかい気味な笑い声。
「スバルも立派になっていたし、ギンガも綺麗になっているし。それに、チンクとディエチとウェンディ。あとここに居ないようだけど、ノーヴェって子も居るんでしょ。すごい大所帯になって、お母さん、すごくビックリしてる」
母さんの視線が、今度は私の両隣に立つチンクとディエチとノーヴェに向けられる。どうする。母さんにとって、チンクは母さんの上官ゼスト・グランガイツを殺めた張本人。直接的じゃなくても母さん達の最期に関わりがある。
それを知っているから、チンクたち元ナンバーズと呼ばれた妹たちが息を飲んでいる。その様子に気付いた母さんは「あなた達のこと恨んでないから安心して」と微笑みかけた。
「私はしっかり自分の死を受け止めてる。まぁ確かにレジアス中将には恨みを持っていたけど、今じゃそれも無い。だから復讐なんてしたいと思っていない。だから安心してもらっていい」
母さんは確かに言った。自分の死を受け止めて、誰も恨んでいないと。それだったら、どうして・・・。
「どうして母さんは
現実
(
ココ
)
に居るんですか? テスタメントの、母さん自身の目的は何?」
そう残酷なことを聞く。実の子供に、どうして存在しているの?と聞かれて、平気な親なんてきっといないのに。すると母さんの微笑みは消えて、苦笑といった感じの笑みになって俯いた。
「教えてくれねぇか。お前が、今もなお彷徨うその理由を」
父さんも寂しげな表情と声でそう聞いた。八神二佐から幹部たちの正体のは聞いている。“テスタメント”の幹部たちは、“テスタメント”のリーダーによって、強い
未練
(
おもい
)
を人型に固定された亡霊であって想いそのものだって。母さんは「そんなの決まっているでしょ」と顔を上げた。
「子を想わない親がどこにいるというの? 私だって本当はもっと生きたかった。死を受け入れたといっても、その思いだけは消えない。ギンガやスバルの成長をもっと見ていたかった。おとーさんとも、もっといたかった。みんなとどこかに旅行に行って、遊んで、笑って、お母さんらしいことももっとしたかった」
泣き笑いのような表情になった母さんを見て、私はもう堪え切れずに声を出して泣いた。私だってもっと見ていてほしかった。もっといろんなことを教えてほし
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