ターン4 変幻忍者と太古の鼓動
[5/12]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
がそばに来てひそひそ話しかけてきた。
「(先輩?そもそもココ、チーズケーキなんてメニューにありましたっけ?)」
「(それがあるんだよね………なんか知らないけど焼き菓子系に人気が持ってかれてほぼ注文無いから最近作ってないけど)」
「(確信犯じゃないですかそれ!)」
翔としても、自分の居場所が後輩に取られそうで必死だったんだろう。それはいい。問題は、それを無関係の僕に押し付けてきたことだ。しかも翔の性格から考えて、間違いなく本人に悪気がないのが余計にたちが悪い。
うまいことこの場を収める方法としては、どうすればいいだろうか。本当のことを言ったとしても、見た感じ素直に信じてくれそうにない。それでYOU KNOWの評判が下がるだけならまだしも―――――いや、それも十分よくない話だけど―――――怒りの矛先が翔の方に向いたとしたら、今度こそリアルファイトに発展しかねない。そうなった場合、体格の差から言って翔がえらいことになるのは避けられないだろう。そこでふとあることを思いついてちらり、と部屋の隅に置いた業務用冷蔵庫を見る。実はあの中には、もうすでに1個だけチーズケーキが冷やしてあるのだ。まだ改良途中の試作品だから美味しいかどうかもわからない代物だけど、チーズケーキには変わりない。ただ、作りかけなんだよねあれ。………今から大急ぎで作ったとしてだいたい15分くらい。よし、やってみるか。
「ということで葵ちゃん、1つ頼みがあるんだけど」
「了解です。じゃあ剣山さん、こうなったらデュエルで決めましょう。私が勝ったらあなたには帰ってもらいますが、あなたが勝てばチーズケーキは渡します。それでいいですか?」
できる後輩って素敵。僕のやってほしかったこと、そっくりそのまま悟ってくれた。
「デュエルで?もちろんだドン!ただし1つ言わせてもらうと、俺は強いザウルス。後になって文句は言いっこなしだドン」
「そのセリフ、そっくりそのままお返ししますよ。………じゃあ頼みますよ、先輩」
僕に向かってウインクし、デュエルディスクを構える葵ちゃん。観戦していたいところだけど、ここは我慢我慢。時間稼ぎは全部彼女に任せよう。
「「デュエル!」」
「先行は私ですね。モンスターをセット、さらにカードを2枚伏せます。そしてターンエンドです」
「悪いけど、ここは最初から全力で押し通すドン!手札から俊足のギラザウルスの効果を発動、このカードを特殊召喚するドン!」
ダダダダダッと、たくましい足を持った小型の肉食恐竜が見た目通りの俊足で駆けてくる。
俊足のギラザウルス 攻1400
「ギラザウルス、ですか」
「そう、このカードは手札から特殊召喚できるドン。本当はこの時に相手は相手の墓地からモンスターを特殊召喚するデメリットがあるけ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ