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初音島の剣闘士
◆4 呪いとの再会
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れる機会がなかったために地獄の暴走召喚はストレージの中だ。
バリアン世界に行けるとも知らないし、今はちょうどベクターの奴がパーティしてるところか。
ナッシュやギラグには悪いことしたな。俺もこうしてる場合じゃないのに。
これはまた今度にするか。

「次は、ショーケースの中になんか欲しいのあるか?」
「なんだ、おごってくれたりするのか?」
「あんまり高い物はダメけどさ。アークナイトとか」

 見れば未回収のNo.や俺達が使うオーバーハンドレッドナンバーズまである。
俺の使うセスタスやカオスナンバーズのカエストスまである。

 確信した。ここは俺がいた世界なんかじゃない。
No.は基本的に世界に1枚のカード。ワンオフのカードだ。
聞いてみれば在庫が余るほどのNo.もあると聞く。そんなのは俺達の世界じゃ考えられない。
デュエルディスクがあり、ソリッドヴィジョンもある。似ている、かつていた世界に限りなく似ている。
遊戯王の知名度だって多少はあるだろう。ショップの客層が子供から老人、男女と豊かだ。
だが決定的に違う世界。ここにはアストラル世界やバリアン世界なんていうトンデモ世界はない。
あるのはただ平穏が訪れる世界。決して揺らぐことのない、平凡な世界。

 正直、俺の取る道は分からない。どうやって来て、どうやって帰るのか。
戻ったとしても今の身体があるかもわからない。ベクターが俺の全てを奪ったのだから。
皮肉な話だ、戻りたいと願っても戻れる保証はない。
これが生涯を壊され、ドンサウザンドの戦士として呪われた男の末路なのだから運が無い。
遊馬、ギラグ。俺はいったいどうすればいいんだろうな?

 No.105、かつての相棒が俺の目に入る。
その拳で切り開いたものは数知れない。今となっては楽しいデュエルばかりだった。
遊馬とのデュエルもそうだった。こいつと俺は戦い、心ゆくまでのデュエルが出来た。
たとえ呪いだとしても、その思い出はきっと俺のものだ。
楽しむ心はお前と分かち合ってきた。お前とならこの先取る道も分かるかもしれないな。

「セスタスとカエストス、あとはこいつを頼む」
「最後のはちょっと出費がかさむけど、ま、買っといてやるよ」
「サンキュー」

 他人にとってはただの紙切れかもしれない。
No.という力だって無いようなもの。だからこそかも知れない。
お前と再会したことに、また使えるようになったことに対して歓迎しようじゃないか。
俺の想いを、拳を守るお守りとして。
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