暁 〜小説投稿サイト〜
Fate/stay night -the last fencer-
第二部
聖杯戦争、始動
敵情視察 ─柳洞寺のサーヴァント─
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人を向こうに回してたら身が保たないわ。
セイバーもアーチャーも今夜は撤退したんでしょう? 私たちが焦る必要もないし、マスターの方針には従わないとね」
何だかんだ言っても、フェンサーは俺の指示をよく聞いてくれてると思う。
その時々にはワガママ放題言ってくれるが、俺が打ち出した方針に逆らったことは一度もない。
マスターとしての信頼故か、単に方針として文句がないだけか。
たまにはフェンサーの意見に少しくらい譲歩してもいいかもしれない。
「ウチのマスターってばヘタレだからねー」
………………光よりも速く前言撤回。
ダメだわ。やっぱコイツ駄目サーヴァントだわ。
家に帰ったら、キっツ〜いお仕置きが必要だわ。
今から折檻メニューを考えることにする。
「用がないのなら去るがいい。戦う気のない相手と戯れるほど、私も酔狂ではないのでな」
それだけ告げると、陣羽織を纏った侍のサーヴァントは姿を消した。
ひとまずこれで、全てのサーヴァントと接触したことになるのか。
キャスターとは面と向かってはいないが、ある程度の情報は集まっている。
今後も随時情報収集を行いながら、準備が整い次第仕掛けていくことになるだろう。
今夜のことも鑑みれば、聖杯戦争も徐々に本格的になっていくはずだ。
「さ、マスター。今日はもう帰りましょう」
「………………」
「? マスター?」
「………………」
だがしかし。
家に帰った後、一つの戦争が勃発することをフェンサーはまだ知らなかった。
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