暁 〜小説投稿サイト〜
Fate/stay night -the last fencer-
第二部
聖杯戦争、始動
敵情視察 ─柳洞寺のサーヴァント─
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か早めに片付けておくとか。

「まぁさすがにこのままってことはないな。士郎が死んだらセイバーがフリーになるわけで、キャスターの狙いは端からそれだろうし。
 後々厄介事になるんなら、ここで首突っ込むのも一つの手段だが…………」

 色々な可能性に考えを及ばせていたそのとき。

「あら、アーチャーだわ」
「え?」

 もう一つ探知に引っかかった反応は、柳洞寺に駆けていくアーチャーの姿。
 自分の目で視認してみてもあの褐色肌に白髪、鮮烈に赤い外套には見覚えがある。

 セイバーよりも幾らか早く士郎に追い付きそうだ。
 この分なら、士郎を助けるのは間に合うかもしれない。

 …………ところで、凛が呼び出したから赤い騎士なんだろーか?

 いやいやそんなことはどうでもよくて。

「凛はいないみたいだな」
「それじゃあ自己判断でセイバーのマスターを助けに行ったのね……随分と義理堅いこと。どこかのマスターとは大違いだわ」
「…………アーチャーを批評してんのか、俺への当て付けかどっちだよ」
「どっちもよ」
「………………そろそろマスターを尊重しましょうって令呪でも使おうかな」



 結構マジで考える、今日この頃。

 前々から思ってたんだが、お姫様っつーか王女様気質だよね、このサーヴァント。
 英語にすればどっちもプリンセスだが、日本語的なニュアンスで意味が違うんだ。

 例えるならほら、イリヤスフィールがお姫様ならフェンサーが王女様みたいな?

 共通しているのは、どちらもお転婆娘という点です。



「始まったみたいよ」
「ん、うわー……何あの大魔術の雨霰。あんなんの爆心地に居たら生きた心地しねー」

 程なくして柳桐寺に到着したアーチャーは士郎とキャスターらしき黒ローブの女に割り込んだ。
 何がしか話していたようだが穏便に解決とはいかなかったようで、宙を舞うキャスターはそれこそロケット砲のような魔術弾を雨霰と落としている。

 信じられない規模の大魔術にも関わらず、キャスターの魔術は外部には一切漏れていない。

 現代の魔術師では考えられないほど秀逸な結界が張られているのだろう。
 こっちも観測しようとしていなければ、目の前を通り掛かっても気付かないに違いない。

「あれだけの魔術を撃つってことは、交戦に入ったみたいね。あとはセイバーが駆けつければ勝敗は決まったようなものだと思うけれど…………あれ?」
「どうした?」
「セイバー、キャスターじゃない誰かと戦ってる」
「はい?」

 俺の探知と感知、それに眼球強化による視覚拡大にも限度がある。
 それでなくとも柳洞寺は結界の影響か、内側を見透すのが難しいのだ。
 それらしい気配は感じ取れても、はっきりとし
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