暁 〜小説投稿サイト〜
Fate/stay night -the last fencer-
第二部
聖杯戦争、始動
敵情視察 ─柳洞寺のサーヴァント─
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すのが不可能に近い以上、勝敗の決め手はサーヴァント同士の真骨頂である宝具の撃ち合いになるが、あの魔槍は結果がどうあれ最悪でも相討ちになる。
たとえ敵を倒しても、フェンサーを失っては意味がない。
ランサーのマスターが姿を見せていないことも懸念事項か。
俺に何が出来るかは分からないが、事前準備だけは怠らないようにしよう。
アサシンについては未だ詳細不明。
暗殺者が表に出て来ないのは当然として、アサシンの基本戦術がマスター殺しなのが厄介だ。
日中行動の危険性は低いだろうが、夜間はなるべくフェンサーを連れているのが基本的な対策か。
ライダー組は既に脱落しているが、特に慎二に関しては気を付けておきたい。
さすがにサーヴァントを失ってまで聖杯戦争に参加しようなんていう気概は持ち合わせていないだろうが、プライドだけは高いので訳のわからない行動に走る可能性は否定できない。
これ以上関わるなら命の保証は出来ないし、アイツがこちらの不利益になるのなら何らかの形で排除する。
願わくはこのまま大人しくしていてくれるのがありがたいのだが………………
「何か感じるか、フェンサー?」
「いいえ。サーヴァントの気配も、魔術の痕跡もないわね」
「そうか…………今夜は収穫無しかなぁ」
柳洞寺の調査を終えて新都に向かい、新都の調査を終えてまた深山町まで戻ってきた。
新都における、キャスターのライフドレインの痕跡は見当たらなかった。
昏睡事件として扱われるソレの社会的な影響はともかく、魔術としての残滓を残していないのはさすが魔術師のサーヴァントといったところか。
あわよくば何かしらの手掛かりでも掴めればと思っていたのだが、やはりそう上手くはいかないようだ。
もしくは魔術の発動直後であれば、目立った痕跡もあったのかもしれない。
収穫と言える収穫もないまま、俺たちは帰る羽目になっていた。
「これ以上はどうしようもなさそうだし……家に帰る?」
「俺が直々に夜回りしてるときに限って何も起こらないってのはどういうことだ」
「そんなのタイミングの問題でしょう? 焦る必要はないんだから、ゆっくり立ち回ればいいのよ」
そりゃそう言われればそうなんだが。
魔術師的な感性故か、俺はこういう無駄足とか骨折り損というのが嫌いだ。
自ら動いているのに成果を上げられないのが我慢できない性質なんだろう。
仕方ないことではあるが、ただどっかのマスターかサーヴァントと擦れ違うくらいはしないもんか──────
「なぁ、もっかい柳洞寺行ってみようか」
「えー……別に仕掛けるわけでもないんでしょー…………」
「だって外から調べてみただけだしよ
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