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Fate/stay night -the last fencer-
第二部
聖杯戦争、始動
敵情視察 ─柳洞寺のサーヴァント─
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の戦況における最大脅威は、やはりバーサーカーだ。
 あの夜、バーサーカーは確実に一度殺された。
 なのにアレは、まるで何事もなかったかのように復活したのだ。

 イリヤスフィールが何らかの魔術行使をした気配はなかった。
 つまりあの化け物はマスターからの事前準備も事後処理もなしに、自分が殺された後に自力で蘇生したことになる。

 物理、魔術を問わず、肉体への干渉を無に帰す頑強さ。
 更に死んだ後に自動で蘇生魔術が掛かる様から見て、バーサーカーの宝具はあの不死身性を支える補助的なものだろう。

 バーサーカーは理性を代償に基本能力値を強化する狂戦士のクラス。
 代わりにより多くの魔力とその制御が必要になり、宝具の力も十全には発揮できなくなる。
 ならば攻性宝具の性能は大幅に制限されているはず…………要はあの要塞のような肉体さえ突破できれば勝機はある。

 イリヤスフィール自身の無防備さ、無垢すぎる性格も付け入る要素ではあるが、あれを弱味と取れるかは判断しづらい。
 あれだけのサーヴァントを従えているのだからかなり優れた魔術師なのだろうが、彼女の術者としての実力は未知数だ。

 甘く見たところに予想外の痛手を受けるかもしれない。



 柳洞寺に潜むキャスターも一筋縄ではいかないか。
 通例には最弱のサーヴァントと言われているらしいが、勝てる見込みがないなら勝負は成立しない。
 陣地作成等の特殊技能、魔術師として他の魔術師(マスター)の手の内を読むなど、正攻法でなければいくらでも勝ち残る手段はある。

 事実、今はこの地の霊脈の一つである柳洞寺を陣地として、街の人間から魔力を掻き集めている。
 結果として俺や他のマスターも、キャスターにはおいそれと手を出せない状況だ。

 バーサーカーとは別の意味で厄介な相手。
 向こうが動くのを待つか、あの夜のように他のマスターと共同戦線を張るか。

 キャスターとバーサーカー、この二つの件については利害の一致から、協力し合うマスターが出てくる確率は高い。

 なので今はまだ、こちらから手を出すつもりはない。
 しばらくは他のマスターの動向に気を配り、協力を求められれば条件次第、最も望ましいのは漁夫の利を得られる状況だ。



 ランサーについては真名まで判明してはいるが、彼の宝具への対抗策はこれといって思い付かない。
 放てば必中必殺と謳われたあの魔槍が宝具であるならば、魔術師の小細工程度で防げるものではないだろう。

 槍としての射程限界はあるだろうが、一度放たれればそれで終わりだ。
 唯一考え付くのはそもそも撃たせないということだが、フェンサーの話と彼についての逸話が真実ならば、ランサーは相当な戦上手である。
 真っ向からの白兵戦で倒
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