十二章
降伏した理由
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?」
「いくら大器の主君とて間違いは犯すもの。主が、大きな間違いを犯そうとしたのならば、例え臆病のそしりを受けようとも止めるのが臣下の務め。あなたに笑われる謂われはありません」
「なるほどなるほど。至言最も。・・・・しかし己が主君を大器と信じるならば、毒の一つや二つ、腹中に置く程度で狼狽えるのは笑止千万なり」
「く・・・・言わせておけば!」
「聞けぃ。・・・・そも今の日の本の現状を見よ。鬼という異形の病禍に苛まれ、苦しんでおる状況だ。そんな日の本を快癒するためには、少々の毒を身中に含んで薬と為す、その勇気が必要だと思わんか?」
「いけしゃあしゃあと・・・・っ!」
俺は壬月が言おうとした瞬間に、壬月の首に剣を当てる。
「気にするな。前に出るな!」
「しかし、一真様!」
「気にするなと言ってるだろうが!人間が!」
「・・・・・・・・・申し訳ありません、一真様」
苛つき、柄に手をかけた壬月を止めたのはこの俺。本来は久遠だけど。つい、言ってしまった「人間が」というキーワードで、周りにいる将は異を唱える。が、俺が殺気と覇気を込めた視線を向けると皆俺の眼を見ないようにそらした。
「弾正少弼」
「はっ」
「裏切りたければ裏切れば良い。その時は一真の持っている鉄砲にて貴様を成敗してやろう。だが、真に日の本の事を大事に思うならば、その力、しばし我に貸せ」
「御意。松永弾正少弼久秀。不惜身命の覚悟で織田殿に寄騎致そう」
「許そう」
「はっ!」
「麦穂。白百合は貴様に預ける」
「・・・・御意」
「これにて松永の一件は落着する。一真も苦労であった。が、一真」
「何だ?久遠が言う事を当てよう。久遠達は後続を待って態勢を整える。白百合が織田に降ったとすれば、三好が焦って動く可能性大。俺達の部隊で先行し、一葉と合流する事だろ?」
「そういう事だ。頼む、繋ぎは・・・・」
「小波が居てくれるから心配いらん。本隊の到着までに二条館を死守する。だろ?」
「そうだ。我も出来る限り早く態勢を整えるつもりだが、今しばらく時間が掛かる。危険な任務だが、頼む。何とか一葉達を守ってやってくれ」
久遠の言う通りでもあるし、自分で言った通りになった。俺は軍人だ。それに守護神いや護法善神の内の一人である創造神が守ってやるよ。
「任せておけ、前も言ったかもしれないが、人間を魔から守るのも俺の仕事だとな」
「済まぬ・・・・」
「じゃないだろ?」
「・・・・ありがとう、一真」
「では、俺はこれで失礼させてもらう。出陣準備完了次第俺達は行く」
「ああ。エーリカ、貴様も一真と共に行け」
「あ・・・・はいっ!」
「連れていく兵以外
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