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亡命編 銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第百十一話 解放の時
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ーニヒトの政権がどの程度続くかな。三年か、いやまだ若いからな、最低でも五年は続いて欲しいものだ。その後をホアンが同じ程度政権を担当する。十年平和が続けば戦争では無く平和が常態となる。だがそこに行くまでは細心の注意が必要だろう。冷徹さに欠けるレベロが政権に就くのはその後で良い。

第十一艦隊は良くやっているな。前回クブルスリーは第一艦隊を率いて良いところがなかった。今回は必死のようだ。そして第一艦隊は敵の後方を遮断して包囲網を完成させた。士官学校首席卒業は伊達じゃないか。心配だったのは第二艦隊のパエッタだったがワイドボーンとヤンに挟まれている。今のところ目立った問題は無い。

ヤンは内心でぼやいているかもしれない。気が重いとかもう沢山とか……。しかしな、こいつは遊びじゃない、戦争なんだ。必要なのは好き嫌いの感情ではなく冷徹さと計算高さだ。人を殺す以上それなりのリターンを得なければ何の意味もない。貴族連合軍を殲滅する事によってルドルフの創った国家制度を叩き潰す。帝国を、いや宇宙をルドルフの呪縛から解き放つ……。

あと六万隻程か……。もう少しだ、もう少しで五百年の呪縛が解ける……。




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