日没に絡むイト
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星は先の密盟交渉があった為にこの同盟を受けてくれないだろうと予想していたが……朱里が確実に受けてくれると判断しての事なので口を挟まない。
成功する理由を思い浮かべても、星には答えは出ない。ただ、自身には見えない何かが、あの少女には見えているのだと任せることにした。
次いで、兵と共に行軍を行いながら、同盟が無理な場合も頭に浮かべて行く。この地からの逃走は自分達の望みの為には必須である事を理解して、思い浮かぶのは先の戦。
全員の生存率を上げる為に、友が行った事を自らする覚悟を高めて行く。きっと、遅れてきた秋斗と肩を並べてそれをする事になるだろうと予測して。
――白蓮殿を守る為、桃香殿を守る為、彼と並んで戦おう。彼と二人で泥を啜ってでも生き延びてみせよう。出来るさ、私と秋斗殿なら、昇龍と黒麒麟なら、虎の軍勢如きに遅れは取らん。
彼女はもう何も失いたくは無かった。主の為に、新たな仲間の為に、そして……自分の為に。
胸の内で呟いた星はゆっくりと前を向き、遥か先を見据えた。
――白蓮殿の涙を最後に見たあの日もこんな夕暮れだったか。……しかし今回は全てを上手く行かせてみせる。
橙の夕日に照らされた空は美しい。しかし直ぐに来る夜を思って、少しだけ不安に心を彩らせてしまう星であった。
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