第五話
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」
目の前にいるのは素顔の見せない人物。明らかに不審者だと言えよう。しかしその隣では呆れた顔をした少女は、どこからどう見ても白玉楼の庭師である妖夢だ。彼女の反応と目の前の人物の行動はどう考えても釣り合っていないし、それに最初は殺気だと感じていた気配もしだいにわざとらしさを感じ始めていた。
「おお、ホントに目覚めるとは思わなかった」
美鈴が起きるのを確認すると、俊司は放出していた殺気に近いものをひっこめて敵対心が無いことを伝える。しかしそのせいで美鈴は余計に混乱し始めていた。
「あ……あれ? 敵……なんですか?」
「ちがいます美鈴さん……もう! なにしてるんですか!」
キョトンとする美鈴の前で小さな説教が始まる。その光景はいつか永遠亭でみたあの二人のようだった。
「とにかくっ……美鈴さんすいません。変なことしてしまって」
「いっいえ。今ので大体敵じゃないのは分かりましたので。大体私が寝てたのが悪かったので――」
「そうね……門番が眠ってるのが悪いものね?」
謝る妖夢をフォローしようとした美鈴の背後から、突然トーンの下がった声が聞こえてくる。その声を聞いた美鈴は、何かまずいことをしたのか急に顔色を悪くし始めていた。
「さっ……咲夜さん!? いつのまに!?」
彼女の背後には銀色ショートヘアーでメイド服を着た少女が立っていた。髪の毛の一部は三つ網をしており、そのひきしまった風貌はさすがメイドと口に出してしまいそうなくらいだ。
彼女の名は『十六夜 咲夜』。ここ紅魔館のメイド長を担当しており、メイドとしての能力を見ると右に出るものはいないだろう。『時間を操る程度の能力』を持っており、時間を止めて自由に行動ができる等仕事上では非常に有効な能力も持っている。普段はあまり怒っているわけではないが、この時の彼女は誰が見ても分かるほど怒った雰囲気を醸し出していた。
「美鈴……あなたの業務は何?」
ただならぬ雰囲気を出したまま笑みを浮かべる咲夜は、青ざめたままの美鈴にそう問いかけた。
「え……あ……門番……です」
「そうね。で……なにをしていたの?」
「ね……眠ってい――」
美鈴がそう口にした瞬間、彼女の背中に二本のナイフが突き刺さった。
「いだああああああああああああああ!!」
強烈な痛みに思わず叫びあがる美鈴。そんな彼女を呆れた様子で見ていた咲夜は、一度溜息をついてから俊司達に視線を向けた。
「無能な門番でごめんなさいね。で? どう言ったご用件で?」
「あいさつ……いや、謝りに来た」
俊司がそう言うと、咲夜は何を言っているのか分からずキョトンとしていた。だいたい俊司は姿を隠している真っ最中だし、いくら咲夜でそれを見抜いてくるわけがなかった。
「……その姿では分からないと思いますが?」
「ああそっか」
俊
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