第7話 『夕方の公園』
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IS―――通称『インフィニット・ストラトス』。
世界から注目の的になっているIS。
誰もが喉から手が出るほど欲っしている物。
だけど私には『悪』の塊でしかない。
それが自分の姉の手によって作られたとしてもだ。
ISは、私の家族を引き裂こうとしている。
重要人物保護プログラム。
国家にとって重要な人物を保護・監視するための処置だ。
私は保護プログラムの話を両親から聞かされ家を飛び出して来たのだ。
夕日が上り公園には私以外の人はいない。
いつもなら道場で剣道の稽古をしている時間だ。
自然と視線が下に行ってしまう。
これからどうしよう。
そんな時に声をかけられた。
「大丈夫かい?」
顔を上げると銀色の髪の私の姉より年上に見える青年が私を心配そうに見ていた。
「私が・・・ですか?」
「うん。思い詰めていた顔をしていたから、ちょっと気になってね」
「あなたには関係ないことです!!」
思わず声が大きくなる。
ついカッとなってしまったのだ。
「確かに、僕には関係のないことだけど僕は君に似ていた子を知っているんだ。だからほっとけないんだよ」
彼はそうゆうと優しく微笑んだ。
私は彼に話すことにした。
なぜ、私は初めてあった人に話す気になったのだろうか。
私の家族について、私の気持ちについて。
彼は黙って私の話に耳を傾けてくれた。
気持ちが少し軽くなった。
そうか、私は誰かに聞いてほしかったんだ。私の気持ちを・・・・・。
それから毎日、夕方にライさんと公園で話をした。それがいつのまにか私の日常になっていた。
ライさんは道場にも来てくれた。だけど連れてきたのは私の友達の姉の千冬さんだ。
二人の手合わせはとても綺麗でついつい見入ってしまう。
何故か胸の辺りがチクリと傷んだ。
ライさんが女の人と話しているのを見るとなぜかモヤモヤする。
なんだろうこの気持ちは・・・・・。
ついにお別れの日が訪れた。
私は、これからこの町を離れるんだ。そう思うと寂しい気持ちになるが、どうしてもライさんと会えなくなってしまうと思うと知らないうちに目から涙があふれ出す。止めようと思っても中々止まらない。
私が辛い時にいつもそばに居てくれて話を聞いてくれた。
私に剣の稽古をつけてくれた。
私が作った真黒な卵焼きを美味しいと言って笑顔で食べてくれた。
短い間だったけどライさんは私にたくさん思い出をくれた。
「これを箒ちゃんにあげるよ」
ライさんが赤いリボンが付いた小さな鈴
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