第三章 [ 花 鳥 風 月 ]
三十八話 罪と罰と…
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が問題はそこじゃない。
「栞さんや、少しは僕の心配をしようか?箸が刺さったんですよ、箸が」
「あぁそうでした虚空様、箸は無事ですか?」
「……おかしいなこの子此処の巫女だよね?一応僕は此処の祭神だったよね?何この扱い?」
「祭神としての自覚があるのでしたらちゃんと祭事に出てください!」
栞に説教される僕を諏訪子や神奈子、紫は楽しそうに笑って見ており綺羅や百合は苦笑いを浮かべている。そしてこの空気に戸惑いを見せているのが幽香だった。目の前に並べられた料理には未だに手を付けていない。さとりとこいしもそんな幽香が心配なのか食事が進んでいなかった。
「どうしたの幽香、食べないの?あぁもしかしてルーミアみたいに人しか食わないとか!」
そう言った瞬間僕の後頭部に何かが突き刺さる。僕の勘が言っている、それは箸だと。
「あーーーーー!!箸が!箸が!」
「このアホ!誤解を生むような事を言ってんじゃないわよ!……百合、何で私から距離を取るのかしら?」
見るとさっきまでルーミアの左隣りに座っていた百合が自分の左隣りに居た神奈子の影に隠れるように移動している。
「えーと…そのー…別に深い意味は……」
「誤解しないで、今はもう食べてないわよ」
「今はって……やっぱり食べていたんですか!」
百合はそんな声を上げると怯えた顔をして神奈子にしがみ付き、そんな百合を見て神奈子は苦笑いを浮かべていた。
「虚空!あんたのせいで百合が変な誤解しちゃったでしょ!」
「ルーミアさん、興味本位なのですが人って美味しいのですか?」
憤るルーミアに唐突に綺羅がそんな事を聞いてきた。問われたルーミアは少し考える仕草をすると、
「そうね…いい物食べてる奴は猪よりましで、ろくな物食べてない奴は猪の方が数段ましって所かしら?」
((((( 例えるものが猪って……何か思い入れでもあるんだろうか? )))))
そんな風に騒がしくしていた食卓に静かな声が流れる。
「…一体どういうつもりよ?」
声の主である幽香が僕を見つめながらそんな問いを投げかけていた。
「どういうつもりも何も、君がどうやって贖罪するかは知らないけれど何にせよ身体が資本になるんだから食事を摂って傷を完全に治す所から始めないとね。先は長いんだから」
幽香にそれだけ言うと僕は食事を再開した。幽香は目の前に置かれた料理を複雑な顔で見つめていたがそんな幽香にさとりが声をかける。
「幽香姉さん、七枷さんの言う通りでしょうまずは傷を癒すためにも食事を頂きましょう。大丈夫、私達も一緒に償うから」
「そうだよ幽香お姉ちゃんは一人じゃないんだから!」
さとりとこいしの笑顔と言葉で覚悟が決まった
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