第三章 [ 花 鳥 風 月 ]
三十八話 罪と罰と…
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言葉をかける。
「そんな事…ねぇ、何か勘違いしてるみたいだから言っておくけど僕は『謝罪しろ』と言ったんじゃなくて『赦しを乞え』と言ったんだよ。ちゃんと意味を理解した方がいいよ」
そこで漸く僕の言葉の意味を理解したのだろう、諏訪子と神奈子がはっとした表情をし、幽香も愕然とした顔をする。
謝罪するだけなら『頭を下げる』だけでいい、まぁ幽香は気位が高そうだから人間に頭を下げるのも苦痛かもしれないけど。
僕が幽香に要求した事は郷の全住民に『謝罪を受け入れてもらう事』だ。幽香が頭を下げたとしてもそれを受け入れてもらえなければ意味が無い。この処分がどれ程困難な事か容易に想像出来る。
「ちなみに条件達成までは君を郷から出す気は無いから。でも別に監視とかを付けるつもりも無いから出て行きたかったら好きにしていいよ」
僕の言葉に幽香は困惑した顔をしながら問い返してくる。
「……どうしてかしら?」
僕は何時もの様にヘラヘラ笑いながら言い放つ。
「だってそうすれば君を郷を破壊した妖怪として何の躊躇も無く倒滅出来るでしょ?正直に言えばそっちの方が楽だしね。あぁそれと郷の全住民には僕達も入るからね。贖罪の仕方は君の好きにすればいいよ、僕は何もしないから。精々頑張ってね」
幽香は苦虫を噛み潰したような表情を浮かべ、さとりとこいしはそんな幽香を心配そうに見つめていた。僕は腰を上げると部屋の入り口に向かいながら、
「そうそう、とりあえず幽香にはやってもらわなきゃいけない事があるんだった、付いてきて」
僕は襖を開け外に出ると手招きで幽香を呼ぶ。
□ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■
「虚空、醤油取って」
「はい諏訪子、あぁそういえば栞、味噌って残ってたっけ?」
「えーと…残ってたかなー?」
「栞さん、お味噌はもう残っていませんでしたよ。あっ!神奈子様その卵焼き私が作ったのですがお味はどうですか?」
「へ〜これ百合が作ったのかい!良い味じゃないか。虚空の作った物並みに美味しいよ」
「不思議な事にこの神社で一番料理が出来るのがお父様なのよね」
「紫を育て始めてから本格的に習ったからね〜、我ながら頑張ったうん。それに比べてルーミアの料理は何ていうか男の料理だもんねー。懐かしいな、ルーミアの一番最初の料理が猪の丸焼きだったな〜」
僕がそう言った瞬間、何かが宙を翔け僕の額に突き刺さる。それは一本の箸だった。
「あー!箸が!箸が!」
「ルーミア様!食事中に箸を投げては駄目ですよ」
「ごめんなさいね栞、次は気をつけるわ」
ルーミアに代えの箸を手渡しながら注意する栞にルーミアが軽く謝罪をする
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