第三章 [ 花 鳥 風 月 ]
三十八話 罪と罰と…
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けた。
「あいつが言うには『完全に操ってしまうと意識が薄れて本来の実力が出せなくなるから意味が無い、なら意識を保ったまま最低限の命令を命懸けで遂行させるように仕向けるのが一番効率がいい』だったかな?つまり幽香は幽香自身の意志で盲目的にその命令を実行していたんだよ、だから記憶がある。それにこれの驚異的な所は命令を守らせる為には荒御霊的な状態にする事も出来る事だ」
「あぁ、あの時の異常な妖気は荒御霊もどきだったんだ!」
納得したように声をあげる諏訪子。幽香が昏睡していたのは傷が深かったよりもその荒御霊状態による消耗が原因だろう。
「つまりはこれを創った奴が黒幕、確か名前は百鬼丸か!」
と神奈子。
「百鬼丸…だったかしら、絶対に許さないわよ!」
と幽香。
「こんなくだらない物のせいで郷が!百鬼丸って奴は絶対に祟ってやる!」
と諏訪子。
「許せません!」
とさとり。
「うん絶対に許せないよね!」
とこいし。
「……盛り上がってる所悪いんだけどそれを創った奴と百鬼丸は別人だよ?」
僕がそう言った瞬間僕以外の全員が勢い良く畳に突っ伏した、一体どうしたんだろうか?そして神奈子が起き上がると同時に僕に詰め寄って来る。
「えっ!今これを創ったのは百鬼丸って話の流れじゃなかったかい!」
「いや、僕は一言も百鬼丸って単語は使ってないよね?」
「確かに言ってないけど偽名を使ってる可能性だってあるよね?」
神奈子に続き諏訪子も僕に詰め寄りながらそう聞いてくる。
「間違いなく別人だよ、だってこれを創った奴は邪神だもの。それにあいつだったら自分で直接僕の前に現れるしね」
「「 虚空あんた邪神と関わりがあったのか!! 」」
諏訪子と神奈子が声を揃えて吼えた。神にとって、というか人も妖怪にも敵として認識されている邪神と知り合いなのが驚きなのだろう。
「まぁその話は置いといて、百鬼丸があいつと関わっている可能性も在るけどそこは今はどうでもいい事だよ。とりあえず幽香の処分を決めないとね」
僕はそう言うと真っ直ぐに幽香を見つめ、幽香はその視線を確りと受け止めていた。
「君の処分は……この七枷の郷の全ての住民から赦しを乞う事」
僕のこの発言に対する反応は様々だった。神奈子と諏訪子、幽香は唖然とした表情を。さとりとこいしは恐らく僕の心を読んだのだろう、愕然としている。
「ちょっ!虚空!何考えてんのさ!」
「こんな時にふざけるのも大概にしな!」
諏訪子と神奈子が左右から僕に怒鳴りつけてくるがそれを無視する。
「…そんな事でいいのかしら?」
拍子抜けした様な表情を浮かべながらそう言った幽香に僕は続けて
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