四話
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「おい、篠乃之……ISは使わないのか?」
今俺は千冬と合間見合っている。戦いの前の挨拶として自己紹介は済ませた。
「お前ごときには使わんよ」
使わないではなく使えない、だかな。だが束が戦装束のロングコートをISと偽装してくれた。恐らくバレはしまい。
「準備はいいか?」
俺は腕、下半身を龍化させ、さらに翼を展開した。
「…………っ。どんなISだ」
説明の使用がないな。
「勝てたら教えてやる」
千冬は打鋼を展開した。さて、奴の得物は剣が一本か……。
「いくぞ!」
千冬が切りかかってくる。それを事前に呼び出してあったハルバートで受け流す。避ける、流す、避ける……。
「まだ、わからないのか?お前と俺では潜った修羅場の数も質も違いすぎるのだ」
特に絶対防御などという物に守られているからな。
「くっ……」
千冬の顔に焦りが見て取れた。
「所詮は井の中の蛙だ。直接命のやり取りをしたこともない小娘が」
「まだだ!」
おっと一瞬だが俺の領域まで加速してきた。俺の戦闘時の歩み並みにはだがな。
「だから甘いんだよ」
久々の全力での移動。背後に回ったがどうやら知覚できていないようだ。そして、そこにハルバートによる突き、払いなどの連撃を叩き込んだ。
「「「え?」」」
その瞬間戦闘終了のブザーが鳴った。
※ ※ ※
終わったか……。世界最強とやらも期待はずれだ。
「まて……篠乃……之。お前……は何者……だ」
息も絶え絶え聞いてくる。
「力を求めた人間のなれの果てだ」
俺はそのままアリーナを後にした。
※ ※ ※
随分と遠くに来てしまったものだ…………。俺は彼女を守りたかっただけなんだ……。
記憶に蘇るのは銀髪の女性だ。そして、次々と思い出される彼女との生活。星を見たこと、料理をしたこと、旅をしたこと。そして違う女性。幸せを壊した女神……。
※ ※ ※
千冬との戦いの後、俺は部屋に帰って寝た。部屋のベットは流石と言うべきか気持ちが良かった。
しかし、予想通りといいますかどうと言いますか……。次の日学校にきたら見事に孤立した。まだホームルーム前でクラスメイトは談笑をしている。俺の周り以外で。
「そ、それは本当ですの?」
「う、ウソついてないでしょうね!?」
聞きたくもないが身体のスペックの問題で聞き取れてしまう。何でも学年別トーナメントの優勝者は一夏と交際できるそうな。
「俺がどおしたって?」
おや、噂の張本人が来たようだ。しかし、俺の属せそうなグループはないな。やはり生きた環境や年数の違いなのだろうか?
俺は目を瞑りながら考えていた。
「おい、篠乃之」
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