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問題児たちが異世界から来るそうですよ?  〜無形物を統べるもの〜
神明裁判 C
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から逃げるのだ、私はこんなにも愛しているというのに!」

二人は無表情で攻撃を放ち、それをキモイ人は笑顔で受ける。
普通に気持ち悪い。控えめにいっても気持ち悪い。

「あぁ・・・記憶が戻っていないのだな。でも安心してくれ!君がゲームに捕らわれていたときは助けることが出来なかったが、今は違う!こうして、君の前に現れることが出来た!今度こそ、君を助けてあげよう、タイターニア!」

ここに来てようやく、キモイ人の目的が分かった。

「・・・って、私?」
「あの呼び方なら、そうでしょうね。私がタイターニアなわけないですから。」
「え、でも・・・私、ティターニアよ?」
「そこまで、差はなくないですか?」

その意味には大きな差があるのだが、箱庭の世界においてはそこまで大きな差ではない。
それゆえに、キモイ人も音央が目的なのだ。

「さあ、こっちに来たまえ!」
「イヤよ!私はアンタに助けてもらうつもりはないわ!茨の檻!!」

音央が割りと本気ではなった茨は、キモイ人の前で燃え尽きる。

「だったら・・・女王の命令に従いなさい!」

音央はそのまま、妖精を召喚して使役し、キモイ人を襲わせようとするが、

「王の命を聞け」

その一言で霧散してしまい、効果を出さない。

「な、なんで・・・」
「音央ちゃん!奈落の穴!!」

呆然とする音央を守るように、鳴央が奈落の穴を二人の前に展開する。
だが、キモイ人はそんなこと気にもせずに手を突っ込み、霊格を少し開放して中から破壊する。

「私とタイターニアとを邪魔するとは、どういうつもりだ?」
「・・・音央ちゃんを、連れていかせはしません!」

鳴央はそう言いながら手に桜羅天の炎と天狗のうちわの組み合わせで攻撃するが、それも効いた様子はない。
これまでに二人が相手したことのある中でも、かなりの実力者なのだ、このキモイ人は。
キモイが、確かに力は持っているのだ。キモイが。
大事なことなので三回言いました。

「そうか。だが、邪魔だ。」
「きゃあ!」

鳴央は腕の一振りで吹き飛び、木に当たって気を失う。
すぐそばにいた音央も同じように気を失い、キモイ人は慌てて駆け寄り、抱き上げる。

「おお、すまない・・・だが、すぐに君の記憶も戻る。そうしたら、謝らせてもらおう。」

そう言って、キモイ人は再び羽根を広げ、飛び立った。

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