TURN140 死線その四
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「田中さんも」
「どうやらこのままだとな」
「東郷さんにですか」
「とって代われるな、面白い」
「あの、それは」
「ははは、俺が何時までも連合艦隊司令長官ではかえって駄目だろう」
「代替わりは必要だというのですね」
日本も東郷の言いたいことを理解して応える。
「そういうことですね」
「そうだ、だからな」
「田中さんの成長は嬉しいのですね」
「さて、俺からどうして連合艦隊司令長官の座を奪い取るか」
即ちヘッドの座をというのだ。
「見せてもらうか」
「今はいい勝負かと思います」
「俺と田中はか」
「そう思います、ですが」
「それでもか」
「田中さんも別世界への攻撃に参加されたいのですね」
「今もそう言ってるな」
どうしてもと言っているのだ、田中は。
だがそれでもだ、日本は難しい顔で述べる。
「しかし艦艇が」
「ないからな」
「はい、どうしても」
だからだというのだ。
「田中さんのその願いは適えられません」
「あいつにとっては残念なことにな」
「そうですね、しかし」
「ないものは仕方がない」
どうしようもないというのだ。
「だからな」
「それではですね」
「十九隻だ」
別世界に送り込む艦艇とメンバーはもう決まっていた。
「それ以上は増えそうにないな」
「あと三ヶ月です」
日本はその十九隻の艦艇の完成までのリミットも述べた。
「三ヶ月耐えれば」
「超艦艇達が完成する、そして」
「別世界に突入しラメダス達の女王を倒し」
「世界を救う」
「今超艦艇の開発は順調ですね」
日本は東郷にこのことも確認した、そのことを言いながらもカレーを食べるスプーンの動きは止まらない。
「遅れていませんね」
「安心してくれ、そちらはな」
「それは何よりです」
「今はとにかく凌ぐしかないからな」
残り三ヶ月、その間というのだ。
「まだ三ヶ月ある、英気を養いつつ戦っていこう」
「そうですね、よく眠りよく身体を動かし」
「よく遊んでな」
そうしてだというのだ。
「英気を養いつつ戦おう」
「そうですね、今は」
こう話してだった、今は。
残り三ヶ月を耐えることにした、それしかなかったからだ。
その中で田中は陣頭指揮を執り続けていた、その采配は見事なものだった。
だがその彼にだ、戦いの合間に平賀が言ってきた。
「いいか」
「何だよ、久重」
「話してるのは確かに私ですけれどね」
平賀の頭の久重が自分の口で応える。
「津波様のお言葉ですから」
「その辺りまだ慣れないな」
「そうですか」
「ああ、とにかくだよな」
「はい、津波様のお言葉です」
ここから彼女の言葉になる。
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