第一章 ねがうゆめ と かなうゆめ
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ここはレルイット。緑豊かな丘の上にある小さな村。
春になると花が咲き乱れ、村人はその花で家を飾り、今は春の祭りに向けて準備を進めている。
そんなのどかな村の中にエレクの家があった。
エレクの家は先祖代々続く鍛冶屋の家系で、父親は時々国王から剣の注文を受けるくらい名の売れた鍛冶師だ。
エレクは最近やっと父親に剣を鍛える許可を受け、父親の手伝いだけではなく自分の銘の入った剣をいくつか打つようになっていた。
その中でも出来の良い一振りを今日は店に並べてもいいと許されたので、朝から遠足に行く前の子供の用にそわそわとしていた。
「それじゃあ、いってきます。」
といって扉を開けると両親が
「いってらっしゃい」
といつものように優しく声をかけてくれる。
すぐあとに
「期待しないで待っているからな」
と父親が皮肉交じりに付け加えた。
その言葉に多少ムッとして振り返ると両親が優しい顔で手を振っていたので、その顔を見たら怒りも忘れ、手を振って再び歩き始めた。
途中何人かの人と挨拶を交わしたが、そのときのエレクの表情はさぞ緩んでいただろう。
剣を売っている大きな街はエレクの住んでいる村から
一時間程歩いた場所にあった。
その道のりは重たい剣を背負って歩くには少々骨が折れたが、今日に限っては足取りも軽く、空も普段より青く澄んで見えた。
エレクは歩きながら昔のことを思い出していた。
小さい頃は勇者にあこがれ、剣を持ち出しては剣術の真似事をし、泥だらけになって家に帰るたびにひどく叱られた。
そんな日々を過ごしていたが、エレクが13、4歳になるころには、心も体も成長し、自分には勇者になれるような才能は無い事がわかり、せめてその才能のある人の為に剣を打つ事ができればいいと考えるようになっていた。
その想いを両親に伝えたとき、父親は涙ぐみながら何も言わずに無骨な手で頭をやさしくなでてくれた。
もっとも、本人は
「泣いてなんかない!」
と言い張っていたが、その様子を見て母親と二人でお腹をかかえて笑った。
そんな事を思い出しながら歩いていると、あっというまに街の中にある自分の店に到着した。
ここは、ノーブルの城下町。
規模はそれほど大きくないが、人の出入りの激しい活気のある町だ。
到着するなり、エレクは商品を並べ、ひときわ「良い場所」に自分の打った剣をおいて、
客を呼び込み始めた。
程なくして、一人の体格の良い男が商品を見に来た。
「いらっしゃいませ。こちら昨日打ちあがったばかりの剣ですよ。」
と、早速エレクは自分の物を紹介した。
男は剣を手に取りう〜ん・・・とうなると、剣を置き
「あの奥
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