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ゆうしゃのしかく 主の資格
第一章 ねがうゆめ と かなうゆめ
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て広場にむかって走り出した。
答えてくれる声が無いことがとても悲しかった。
エレクが広場に戻ると、女剣士は待ちくたびれたかのように立ち上がり、伸びをすると、
「さあ、行こうか」
といって歩き出した。
歩きながらエレクはふと思い出した。
「そういえば、昨日僕のことを知っているような口ぶりでしたが。」
女剣士は大きくため息をついて、
「あんた、やっぱり覚えてないのかい。こんなに美しい女性を覚えてないなんて見る目がないねえ。昨日の昼間に店に行っただろう。」
と大げさな身振りで話した。
エレクはしばらく考えると、
「あっ、僕の打った剣を買ってくれそうだった人だ。・・・男の人かと思った。」
言った直後に女剣士の拳が顔面に飛んできて、ゴンッという子気味良い音がした。
「まったく・・・、剣を見る目はあるみたいだけど人を見る目はまだまだみたいだねえ。そういえば、自己紹介がまだだったね。私の名前はレイア。レイア=ミクルっていうんだ。今度こそ忘れるんじゃないよエレク君。
今度は軽く頭をぽんぽんと叩かれた。
「レイアさんですね。忘れませんよ。痛かったし・・・。って、あれ僕名前教えましたっけ。」
エレクが不思議そうにしていると、
「まぁ、ちょうど街についたしその辺の話はご飯でも食べながらにしようじゃないか。もちろんあんたのおごりでね。」
レイアはずんずんと歩いていってしまった。




二人は一軒の酒場に入った。そこはなかなか賑わっているようで、空席はほとんどなかった。
レイアは席に着くと同時にどんどんと料理を注文していった。
エレクがあっけにとられて入り口でたっていると、早く座れとばかりにレイアが手招きしていた。
席に座り、一息つくと
「レイアさんそういえば・・・」
エレクが話しだそうとしたとき、
「はい、おまちどうさん。うちのオススメの料理だよ。今日もたくさん食べてきなよ。」
エレクの言葉を遮るように山のような料理が運ばれてきた。
レイアと店員は顔見知りのようで、二言三言話すと店員はカウンターの方へ戻っていった。
エレクは気を取り直して再び話しかけた。
「レイアさん、僕の名前を知っているようですが、それとなぜあの時村にいたんですか。」
それだけ聞くと、
「まぁそんなに慌てなくても。そうそう、このスープはこの店で特にオススメなんだ。」
と、いいながらスープを取り分け、食べ始めた。
確かにおなかが減っていることもあり、おいしそうな香りに負けてエレクも諦めたように食事を取り始めた。
「さっきの質問だけど・・・」
いくつかの皿を空にした時レイアが話し始めた。
「エレクのおやじさんとは、この剣を買ったときに知り合ってね。その時にたまたまエレクの話がでて、名前を知ったわけ
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