暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
コラボ
〜Cross world〜
cross world:交換
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ならない。

そりゃあ、ごく一部の例外はある。例えば、大きなイベントクエストの重要な役回りを任せられているヤツとかだ。

しかしそれにしたって、こんな圏内のド真ん中にいるわけがない。それに、少年の知っているNPCは、これほどの感情表現機能は付いていなかったはずだ。

こんな、大切な人がいなくなった時に子供が浮かべるような、寂寥感に溢れた表情は。

「レ………ン……………?」

「おや、おかしいですね。ここにはいないようですよ、マイ」

信じられない、という表情を浮かべる少女に対し、女性のほうは首を傾げただけだった。まるで、珍しい事はあるものだ、とでも言いたげに。

しかし、少女は違う。

なんで、どうして、という前に、おかしいという疑念の思いが如実に現れている。

「マイ?どうしたんですか?」

さすがに傍らの女性も心配になったのだろう。

軽く膝を折り曲げ、視線を合わせて少女に声を掛ける。

「おかしい……、おかしいんだよ………」

「ですから何が」

「レンの反応が、《世界》から消えた……」

「………WC落ちではないのですか?生理的欲求には抗えませんし」

問いただすような女性の声に、しかしマイと呼ばれた真っ白な少女はフルフルと首を振った。

「だって、一瞬前にレンが座ってた椅子に、あんなに素早く座ることなんて可能なの!?まるで……まるで────」

その次の言葉は、少年にもありありと想像できてしまった。

まるで、『入れ替わったように』だ。

おかしい、と少年は思う。

何かが、何か得体の知れないようなものが、少しずつ、しかし確実に迫ってくるような感覚。

何かが狂っていくような、壊れていくような、そんな感覚。

何かが起こっている。

自分の知らないところで、とんでもなく大きな何かが。
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