外伝
外伝1:フェイト編
エピローグ
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ージの方に向かう。
そして、数脚の折りたたみ椅子を持ってフェイトのところに戻ってきた。
「座るんならこれに座れよ」
「ん、ありがと」
フェイトはゲオルグが置いた椅子に腰を下ろすと、ゲオルグの方に目線を向けて
ニコッと笑う。
「やっぱり、ゲオルグって優しいね」
「アホか。こんなのは優しい優しくない以前の問題だよ」
「そうなのかな? でも、私はゲオルグの優しさだと思うよ」
「・・・なら、勝手にそう思ってろよ」
そう言ってゲオルグは少し離れたところにもう一つ椅子を置くと、
ドカッと腰をおろして不機嫌そうな表情を浮かべながらタバコをふかす。
「ふふっ・・・照れちゃって」
「照れてねえよ! それより、昔話ってなんだよ?」
照れ隠しにわざとぶっきらぼうにふるまうゲオルグに対して、
フェイトは苦笑を浮かべながら話しかける。
「ゲオルグはさ、あのころ本当に私のことが好きだったの?」
「・・・それを聞いてどうするんだ?」
「ただの興味・・・かな」
「ふーん」
ゲオルグは肩をすくめるフェイトの顔を窺うと、
大きく空に向かって煙を吐く。
「さっきも言ったけど、今となってはよくわからないな。
ひょっとするとそうだったかもしれないけど、
あの頃の俺はそういうことを理解するには幼なすぎたからな。
お前もそうだろ? さっきもそう言ってたし」
ゲオルグの問いに対してフェイトは首を横に振った。
「さっきはなのはの手前もあってああ言ったんだけどね、
私はゲオルグのこと好きだったよ、あの頃」
「なっ・・・」
フェイトの言葉を聞いたゲオルグは驚き、あんぐりと口を開いた。
咥えていたタバコが庭の芝生の上に落ちる。
「お前・・・何を言ってるのか判ってるのか?」
落としたタバコの火を慌てて消すと、ゲオルグは鋭い目で
フェイトを見ながら問いかける。
「判ってるつもりだけど。むしろ、ゲオルグは何を慌ててるの?
私が言ってるのは過去の話だよ。
今はそんなことないし、私が今好きなのはシンクレアだもん」
微笑を浮かべて平然と言うフェイトの顔を唖然とした顔で見ていたゲオルグは
フェイトの言葉を聞き終えると、肩をすくめて笑う。
「よく恥ずかしげもなくそんなこと言うよ」
「うーん、それはゲオルグには言われたくないかな」
眉尻を下げて困ったように笑いながらフェイトが言うと
ゲオルグはもう一度肩をすくめた。
「はいはい。 ところで、愛しの旦那さまとは一緒に居なくていいので?」
「んー、シンクレアはティアナに捕まってるよ」
フェイトが指差す方には真剣な表情で話すシンクレアとティアナの姿があった。
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