暁 〜小説投稿サイト〜
ストライク・ザ・ブラッド 〜神なる名を持つ吸血鬼〜
天使炎上篇
12.仮面の真実
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「え!? ちょ……」

 唖然とする古城と彩斗はなんとか傾く鉄塔にしがみつく。
 だが、その傾きは突然として停まった。それは無数の鎖が、鉄塔に絡みつき倒壊を防いだ。
 倒壊が停まった瞬間に“仮面憑き”と彩斗は同時に動いた。

「──降臨しろ、八番目の眷獣、“狩人の二牙(アルテミス・ストレ)”!」

 彩斗の呼びかけに魔力が形をなし実体化する。
 二つの大牙を持つ猪。
 “神意の暁(オリスブラッド)”が従えし、不死身の肉体をもつ吸血鬼さえも殺す魔力の塊。
 “狩人の二牙(アルテミス・ストレ)”は、“仮面憑き”へとめがけて一直線に真っ正面から突進する。二つの大牙が“仮面憑き”のほっそりした身体へと直撃する。

「なっ……!」

 思わず言葉を失った。一撃の破壊力でいえば、“神意の暁(オリスブラッド)”が従える眷獣の中で最強を誇る猪の突進を正面から受け止めた。しかもその肉体には傷一つかなかった。

「うそだろ……彩斗の眷獣の攻撃に耐えるなんて……!?」

 いびつな翼を広げる“仮面憑き”。古城と雪菜も驚きが隠せない。“神意の暁(オリスブラッド)”の眷獣が効かないということは、真祖の眷獣を持ってしても倒せないことを意味する。

疾く在れ(きやがれ)、九番目の眷獣、“双角の深緋(アルナスル・ミニウム)”──!」

 古城の叫びに陽炎のように揺らめく二本の角を持つ緋色の双角獣(バイコーン)
 緋色の眷獣が衝撃波を発する。強烈な振動波をまとう双角獣(バイコーン)の突撃を、“仮面憑き”は悠々とすり抜ける。雪菜の槍と彩斗の梟のように魔力を無効化したわけでわない。同等のパワーで相殺したようには見えなかった。ただ受け流したのだ。

「やばい──!」

 絶句している彩斗と古城はさらに全身を凍らせた。“仮面憑き”が巨大な光の剣を放とうとしていた。
 それを止めるべく、雪菜が“雪霞狼”を投擲する構えを取るが、“仮面憑き”に槍は通用しない。それは、同時に“真実を語る梟(アテーネ・オウル)”の翼が通用しないことを意味しているのではないか。
 だが、“真実を語る梟(アテーネ・オウル)”の翼が効かないと確証したわけではない。
 わずかな可能性にかけ、彩斗は右腕を“仮面憑き”へと突き出した。その直後だった。

「なっ!?」

 古城の声が洩れる。
 突如として飛来した閃光が、光の剣を構える“仮面憑き”を貫いた。
 その閃光の正体は、いびつな翼の小柄な影……もう一体の“仮面憑き”だ。

 死角からの不意討ちに“仮面憑き”は絶叫を上げる。
 閃光に貫かれたまま、彼女は電波塔に激突。鮮血を撒き散らす。
 二体目の“仮面憑き”が、その上にのしかかり、鉤爪で容赦なく身体
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