第11話
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帰蝶「行っちゃったわね…」
久遠「やれやれ…あぁは言っていたが…本当に大丈夫なのか?あいつは」
帰蝶「まぁ、ひよもころもいるし、なんとかなるでしょう。あいつ自身しっかりしているし」
久遠「だといいのだが…」
帰蝶「寂しい?」
久遠「うむ…そうだな」
帰蝶「………」
久遠「ひとりいるのといないとでは、屋敷の賑やかさも随分違っていたからな」
帰蝶「……まぁ、騒いでたのは主に私達のような気もするけどね」
久遠「ふふ、違いない」
久遠の屋敷を後にした俺達竜司隊は、清洲の街をのんびり歩いていた。
転子に聞けば、久遠から正式に竜司隊への入隊の沙汰があったあと、すぐにこれから向かう屋敷に移ったらしい。
竜司「そうか。ならこれからまた賑やかになるな」
転子「はい!改めて、これからお世話になります!竜司様!」
竜司「こちらこそな。まぁ、気楽にやれよ。いつも肩肘張ってちゃ世話ないからな」
転子「はぁ…」
ひよ子「それでは竜司様、これからどうします?」
竜司「そうだな。生活に必要なものを一通り揃えたいところだが、まずは新居の方に行ってみるか…。道順も覚える必要があるし、そのあと夕飯の買い物がてら市に出ようか」
ひよ子「はーい!わっかりましたー!」
転子「承知しました!じゃあまずは長屋に案内しますね」
竜司「よろしく頼む」
ひよ子「あっそうだ。お頭ーお金はあるんですか?」
竜司「あぁ、一応久遠からはこの間の墨俣一夜城築城の功績を認められて給金が出たからな。ひよ、これはお前に渡しておくから管理を頼んでいいか?」
ひよ子「はーい!」
転子「そ、そんな簡単に渡しちゃってもいいんですか?自分のお金を…」
竜司「まぁひよなら大丈夫だろう。ひよなら金銭の管理は安心して任せられる」
転子「えぇ!ひよってこういうの得意だっけ?」
ひよ子「ぶー…ころちゃんその反応はないんじゃないかな?」
竜司「実のところ、今回墨俣一夜城築城の経費を割り出したのはほかでもない、ひよだからな。適材適所というところだろう」
ひよ子「へへぇ…お頭に褒められちゃった」
転子「むぅ…ひよずるい…」
竜司「まぁ、そんな訳だから、金の管理は任せるぞひよ」
ひよ子「はい!お任せ下さい!」
竜司「さて、そうと決まればまずは長屋だな。行くぞ」
ひよ子「竜司様、こっちです。こっち」
そう言いながら、ひよ子に道案内される俺達。
人の往来が激しい本道…ではなく、そこから少し離れた裏道だった。
その道は何本かに枝分かれして、目印でもないと迷いそうな道である。
これなら確かにわかりにくいのも無理はない。先
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