暁 〜小説投稿サイト〜
とある物語の傍観者だった者
10話:悪魔デ妹
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 なんか礼を言われた。つーか、今は話しかけてこないで!!

「それに、本当に君は何者なんだ? 君も私と同じマルチタイプなのか?」

「それについては黙秘権を発動する……ごばぁっ」

 オレはまた吐血した。やっぱり喋るんじゃなかった!!

「アンタ、さっき何したのよ? あれって機械操作でできるものなの? つーか、さっき大きな剣持ってなかった??」

「だから黙秘権を発動する……ごばぁっ」

 戦いを終えて…無事だった美琴がオレを心配してくれたけど、自分もあの最後の必殺技が超気になるから答えろ、と言った感じで質問してくる。

 そして、またオレは喋って吐血した。

「少し休もう。警備員が向うから来てくれるだろう」

「もうアンタは逃げないでね?」

「ふっ、自分の犯した罪を受けいれるさ……」

「そう。でも、アンタが助けようとした子を救うことができるなら、私に何かできるなら、その時は言って。手伝うから」

「……ありがとう」

 美琴は木山と対戦時に木山の思想とか思念とか言うのが脳波のネットワークで流動?したらしく、木山が何を企てていたのかを知った。

 だからこそ、木山を止めて、今度は他人を傷つけない方法を考えて手伝うと言ったのだ。

 えぇ子じゃないか。

「えぇ話や……ごばぁっ」

「「………」」

 感動して思わず口にして吐血した。しつこいっ。

 人は何故同じ過ちを繰り返すのか、という哲学的なことをカミやんを見立てて思ったりしていたけども、オレも他人(ひと)のこと言えなかった……

 あー早く救急車。病院行かなきゃ出血多量で死ぬかも。いや、実際このまま放っておいたら死ぬレベルだし。

「近簿さん、大丈夫ですかー!!」

 初春さんが高速から降りて駆け寄ってきてくれた。

「近簿、お前また無茶やったじゃんかよ!! こんな姿みたら子萌も私も悲しむじゃん!!」

「いでっ、そこはらめぇ……ごばぁっ」

「「「………」」」

 いや、何こいつ血いっぱい流しているけどふざけるほど元気じゃん…みたいな顔しないでくれますぅ?

 でも、黄泉川先生が両方の耳を引っ張っるもんだから変な声を出しても仕方が無いのさ。

 そして、これはギャグでは決してない。本気で血を吐いて苦しんでいるのだ。

「それと、今しがた病院から報告があったじゃん。昏睡状態だった能力者の1人が意識を取り戻したって」

「ほ、本当ですか!」

 じゃんじゃん先生の言葉を一番に反応したのは初春ちゃんだった。佐天さんのことが心配で仕方がないんだろう。

 でも、良かった。アニメ通り、被害者はちゃんと目覚めるという報告を聞けてオレも安心した。

 美琴も、木山もホッとして
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