鎮魂歌
[8]前話
少しして みんなは解散した。
私は 試したいことがあって 森に残った。
幸い まだ陽は高い。
私はすぅっと息を吸い
『ーー♪♪ー』
歌を 歌ってみた。
鎮魂の歌を。
『いつか 君と 二人 夜を 朝を 昼を 星を 幻想を 夏を 冬を 時を 風を 水を 土を 空を…』
私の好きな曲だ。
音程云々は置いておいて 歌い終わって少し薄暗くなった空を見上げると…
『わぁ…』
光の線が 森を抜けて空へ昇っていくのが見える。
言霊 も使えないかと試してみたかったのだけれど…成功のようだ。
満足した私は 地獄堂へ戻った。
…戻った途端
「ねーちゃんの歌 聞こえたぜ!!!」
「スッゲーきれいな声だった!!!」
「うん。いい歌だった…」
『嘘!?あの距離から?!!』
私は思わず赤くなったであろう頬を抑えた。これは恥ずかしすぎる。
しかし なんであんな距離から私の声が聞こえたのかとキョロキョロしてみると…
『あ。』
大きな水晶玉を磨くオヤジさん。
『音も…聞こえるんですか?それ…』
「ヒヒヒ…なかなかの腕前じゃったな…」
『やっぱりその水晶玉!!!ひどいですオヤジさん〜!』
その頃 拝くんとカンナちゃんも 自分たちの身に付けている水晶から 私の歌声が聞こえたと 後日報告があり 私はまた赤面することになった。
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