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中二病が主人公になったら?
第18話
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「そんな顔をするんじゃないよー・・・。幸が逃げちゃうぞぉー。」

悲壮感が漂っている教え子の顔を見て、カカシはちょっと同情した。
この試験の答えに気付いているにもかかわらず、自己中な2人のせいで全く達成出来そうもない状況にあるのは少し気の毒だと思ったのであった。

「まぁ、どうしようもないんで、とりあえずお手合わせ願います。」
「・・・ああ、分かった。」

そう言ってカカシは腰のポーチから一冊の本を取り出し、

「忍戦術の心得その1、『体術』を教えてやる。」

とか言いながら、まともに構える素振りも見せず、本を読み始めた。

「・・・随分と余裕ですね。」
「話の続きが気になってたからな・・・」

カカシは、左手だけ使って器用にページを捲った。

「まぁ、気にすんな!お前ら相手じゃ、本読んでても関係ないから。」
「・・・そんじゃ、すぐに余裕を失くさせてあげる・・・・・・よっ!!」

数瞬、足に力を溜め、そして黙々と本を読み続けているカカシを目掛けて閃光のごとく迫った。

「・・・!?」
「ヘッ!ちなみに、絶対本は弁償しないからな!」

一瞬でカカシに肉薄したナルトは、カカシの左手目掛けて右手の裏拳を繰り出した。
明らかに下忍離れした動きを見せたナルトに一時カカシは驚き固まるも、咄嗟の判断で上体を右に傾けることで直撃は回避した。
しかし、左手には当たらずとも、左手に持っていた本に直撃したため、その本は背の部分が折れ、空中を舞ってそのまま地面に落ちて砂を少し被って汚れてしまった。

「ああ!?まだ最後まで読んでなかったのに・・・」
「チョーシ扱いてるからだってばよー。まぁ、良い薬になったんじゃね?ww」

カカシは俯き、両拳をワナワナと震わせている。

「・・・お前・・・許さん・・・許さんぞぉ!!」
「だから、自業自得だってば。」
「うるさい!お前には絶対に弁償させてやるからな!!」

先程までとは打って変わってカカシはナルトに殺気をぶつけ、額当てを擦り上げ、左眼の写輪眼でナルトを睨み始めた。

「げ、下忍相手にその眼を使うなんて、大人げないってばよ(汗)。」
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