第18話
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刺さった音がした。
「おいおい、そう慌てんなよ。
まだ、スタートは言ってないだろ。」
何時の間にか、カカシの右手にはクナイが握られていた。
「え〜?『スタート』って言ったってばよ。
ほら、『スタートの合図で』ってところで。」
「コラコラ、変な頓知を利かすんじゃない。」
2人は不適な笑みを浮かべながら会話をしているが、残りの2人は『何が起こったのか分からない』といった表情を浮かべていた。
ちなみに、カカシは一見余裕そうな顔をしているが、実際はナルトの投げた手裏剣の速度が一般的な下忍の投げたものとは段違いであったために、冷たい汗が背中にツゥッと流れていく感覚を覚えていた。
「ちぇっ。でもサクラ、殺す気で投げたところで大して危なくはないってのは分かったでしょ?」
「そ、そうね!なら大丈夫・・・かも・・・。」
サクラの返答した声は明らかに上擦っていた。
サスケも運動していないにも関わらず、少し汗をかき始めている。
「まあ、3人ともオレを殺すつもりで来る気になったようだな。」
そう言って、カカシは軽く一笑いした後、言葉を続ける。
「何だかなぁ・・・やっとお前らを好きになれそうだ・・・。」
そして、真剣な目付きに変わり―――
「・・・じゃ、始めるぞ!!
よーい・・・スタート!!!」
―――戦いの火蓋を切って落とした。
カカシが宣言した直後、3人は森に飛び込み、それぞれ別の場所に身を潜めた。
しかしナルトは、今隠れている場所に影分身を残し、サクラが隠れている場所まで移動する。
「ねぇ、サクラ。」
「うわっ!?ちょっと、脅かさないでよ!」
うつ伏せで隠れていたにも関わらず、サクラは今、尻餅をついている。
「あのさー、オレと協力してスズを「イヤッ!」・・・あっ・・・そうですか・・・。」
言い終える前に言葉を返されたことにナルトは少しショックを覚えながらこの場を後にして、今度はサスケの隠れている場所に向かう。
「おーい、サスケ。オレと協力し「断る!」・・・ハァ・・・もういいよ・・・。」
今度もまた即答されて相当凹んだが、仕方がないのでカカシの前に堂々と姿を現して戦うことにした。
早速、ナルトはガサガサと茂みを掻き分けて森を抜け、カカシに向かって大きな声を掛けた。
「さぁ!いざ尋常に勝負!しょ〜ぶぅ〜!!」
軽くカカシはズッこけた。
「あのウスラトンカチ・・・」とため息混じりの呟きが森の中から聞こえた気がするが、ナルトは何も気にせず仁王立ちしていた。
「あのさァ・・・お前、ちっとズレてない?」
「だって、しょうがないじゃん・・・ちっとも協力してくれないんだもの・・・。
それに、何処に隠れたって無駄でしょ?ハァ・・・。
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