SAO編−白百合の刃−
SAO13-狙撃の撮影者
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している。それに気づいていないプレイヤーが『狙撃者』の名は知らなくても凄腕のプレイヤーであることは認知されている。
性格を除けば良い人なんだけどね。
「それはあれだよ。キリカちゃんに聞かれなかったしね〜」
「言わないとわからないことだってあるのよ」
「あ、それもそうだね」
まるで気づかなかったような反応をしているが、とぼけているのは間違いない。センリという人は、そう人なんだ。いつだって、自分が何者かを撹乱((かくらん))するように振る舞っているんだわ。
「それよりもさ、キリカちゃん変わったと思わない?」
「何が?」
「ドウセツも知っているじゃん。キリカちゃんが、かつて『白の死神』って呼ばれた時よりも、大分成長したと思わない?」
「……よくは知りません」
「キリカちゃんはあたしのこと、あんまり知らないっぽいけど、あたしは昔っからキリカちゃんのこと知っているんだよね。昔はさ、不器用な可愛くなる前の成長期の女の子が、訳あって死神なんて呼ばれるようになっちゃったのに、今は死神なんて呼ばれていたのが嘘みたいに変わったわ」
センリさんは微笑む。センリさんの笑みは呆れるほど見て来たけど、キリカを語っているセンリさんの頬笑みは初めて見た。これが本当の、センリさんが自然に出る頬笑みなのか?
「それで、あたし改めて思ったの。人は変われるんだってね」
「変わらない人もいますが」
「あー、そうやって意地悪言う」
「意地悪ではありませんよ」
センリさんがキリカを語るように変わった人がいる。でも、変わらない人だっている。器用に上手く変わることができる人なんかこの世にはいない。だから、変わらない人だって当たり前のようにいるわ。
「もー、ドウセツも良い表情になって来たのに、なんかもったいないな〜」
「何がもったいないですか?」
「そりゃあ、あれだよ。誰かに甘えてないしょ?」
私はセンリさんが言っていることに、理解できなかった。
「……誰かに甘えるなんて、する意味がないわ」
「そうやって、未だに壁作っているじゃんか。それでドウセツが良いかもしれないけどさ、壁作る時、悲しそうな顔をするのはどうかと思うわ」
「眼科と脳外科でも行ってきたら?」
「ドウセツは心のケアをオススメするわ。あ、なんならあたしがしてあげようか?」
「センリさんにするなら、廃人になった方が数倍マシです」
「ドウセツのケチ」
ケチで結構だった。
アホらしい。
苛立つほどアホらしかった。
「だからさ、キリカちゃんに甘えたら?」
「嫌よ、あんな変態に甘えることなんて屈辱よ」
「でも受け止められるのって、キリカちゃんくらいしかいないじゃない? 『ボーナスゲーム』でも仲良くしていたじゃない」
…………何
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