番外8話『気づけば』
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ナミのことを心配してくれている。なんだかそんな気がして嬉しかった。そんな風に感じたのはなんとなくサンジがそういう風に見えたからという理由だけだけど、本当にそう思えた。
もし違っていても、サンジが男として、という理由でも深くナミのことを心配してくれるのならそれはそれでやっぱり嬉しい。
俺はナミのことが好きだけど、ナミの兄でもあるわけだから。ナミのことをそれだけ思ってくれるのならば、やっぱり嬉しい……もちろん嫌な気持ちもないって言ったらウソにはなるけど。
まぁ、ともかく。
ナミのことを心配してくれるサンジが嬉しくて、俺はその彼の心配に答える必要がある。
「知ってるよ、アーロンをブッ飛ばした日に……ナミを含めて家族には言っておいた。みんな『気にしない、いい魚人もいるんだ』って言ってくれた。それどころか『だったらあんたを鍛えてくれたその魚人は私たちを救ってくれたことにもなるんだから、感謝しないと』って、笑ってくれた」
それを聞いて、サンジが大きくため息を。
「……そうか、ならいいんだ。俺がとやかく言うことじゃねぇってのはわかってる。悪かったな」
言いながら一人で甲板に出ようとするサンジが、なんだかいぶし銀に見えた。
ありがとう、と。
また心の中で言うことにした。
ハントとチョッパーが握手を交わす。
「おれはチョッパー。トニートニー・チョッパーだ」
「……?」
――たぬ……いや角がある……鹿か? しゃべる鹿? ……うーん、グランドラインだし、なんでもいいか。
「俺はハント、よろしくな。ドクターチョッパー」
「ど、ドクターなんて言われてもうれしくねぇよ、このヤロウがー!」
「嬉しそうだな」
降りしきる氷の桜が、満開の月のもとで咲きつもる。
「新しい仲間に……乾杯だぁあ!!」
「カンパーイ!!」
船は、アラバスタへ。
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