NO.7 破軍歌姫
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を流しているアーシア本人だけだ。
俺は楯を何重にも重ね、霊力を完全に遮断する。
これで、やっと耳から手を離せた。
「はぁ、はぁ、あなた、これは一体なんなのよ!説明しなさい!」
「落ち着きなさいよ。まずは冷静になりなさい」
まずは全員に深呼吸をさせ落ち着かせる。
「落ち着いたわね。じゃあ、説明するわよ。これは聖歌よ。ただし、少し普通とは違うけど」
「聖歌だというのはわかったわ。ただ、違うって何が違うのよ」
俺はアーシアを指差す。
「あれが顕現しているのは『破軍歌姫』。形を成した奇跡よ。その影響で聖歌の効力が何十、何百、下手をすれば何千何万以上に増幅されているの。もろに聴いたら死んでるわよ?」
悪魔全員が身震いした。当然だ。普通の聖歌ですらダメージを受ける。それが計り知れないレベルまで増幅されているのだから。
「あなた方は今私が張っている壁より前に出ないことね。出たら、あの音楽を聴いたら死ぬわよ」
「じゃあ、どうしたらアーシア、あの子を助けられるんだよ!教えてくれ!」
イッセーが必死に聞いてくる。わかるよ。俺だって助けたいんだ。あれは多分、一種の暴走だ。
「正直、私もどうすればいいかわからないわ。あれは多分、一種の暴走よ。どうにかして止めないと」
「じゃあ、俺がアーシアのところまで行く!」
「あなた、話を聞いていたの?今は私の張っている壁のお陰で痛みも何もないけれど、一歩外に出れば全身に激痛が走るわ。あの子の元にたどり着く前に死ぬわよ」
俺の言葉を聞いたイッセーは黙る。
「だったら、あなたの壁であの子の元に送り届けてやってくれないか?」
今度は木場が喋る。
「そう、じゃあ、やってみるかしら?」
「おう!」
俺はイッセーを光の楯で覆う。物質化した俺の光は、俺が霊力を流さない限り効力を発揮しない。まあ、それでイッセーを覆い、さらにその上から霊力の籠った膜で覆う。光は悪魔にとっての毒だからな。工夫しないと。
「これで大丈夫だと思うわ。少しでも痛かったら言いなさい。かけ直すわ」
「ありがとう。それじゃあ、行ってくる!」
イッセーは俺の結界を抜け、アーシアの元に走る。
それを捉えたアーシアは、大きく息を吸った。
「ああああぁぁぁぁッッ!!」
アーシアが絶叫のような大声をあげる。その声は『破軍歌姫』を通り、衝撃波となってイッセーに襲い掛かった。
「がっ!」
「イッセー!」
イッセーは一気にこっちまで吹っ飛ばされてきた。イッセーに心配そうに駆け寄るリアス。
そういえば、あれもあったな。音による衝撃波。『破軍歌姫』は確かに戦闘向きの『天使』ではない。だが、全く戦え
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