暁 〜小説投稿サイト〜
天使舞う、この世界
NO.7 破軍歌姫
[2/5]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
を流しているアーシア本人だけだ。
俺は楯を何重にも重ね、霊力を完全に遮断する。
これで、やっと耳から手を離せた。

「はぁ、はぁ、あなた、これは一体なんなのよ!説明しなさい!」

「落ち着きなさいよ。まずは冷静になりなさい」

まずは全員に深呼吸をさせ落ち着かせる。

「落ち着いたわね。じゃあ、説明するわよ。これは聖歌よ。ただし、少し普通とは違うけど」

「聖歌だというのはわかったわ。ただ、違うって何が違うのよ」

俺はアーシアを指差す。

「あれが顕現しているのは『破軍歌姫(ガブリエル)』。形を成した奇跡よ。その影響で聖歌の効力が何十、何百、下手をすれば何千何万以上に増幅されているの。もろに聴いたら死んでるわよ?」

悪魔全員が身震いした。当然だ。普通の聖歌ですらダメージを受ける。それが計り知れないレベルまで増幅されているのだから。

「あなた方は今私が張っている壁より前に出ないことね。出たら、あの音楽を聴いたら死ぬわよ」

「じゃあ、どうしたらアーシア、あの子を助けられるんだよ!教えてくれ!」

イッセーが必死に聞いてくる。わかるよ。俺だって助けたいんだ。あれは多分、一種の暴走だ。

「正直、私もどうすればいいかわからないわ。あれは多分、一種の暴走よ。どうにかして止めないと」

「じゃあ、俺がアーシアのところまで行く!」

「あなた、話を聞いていたの?今は私の張っている壁のお陰で痛みも何もないけれど、一歩外に出れば全身に激痛が走るわ。あの子の元にたどり着く前に死ぬわよ」

俺の言葉を聞いたイッセーは黙る。

「だったら、あなたの壁であの子の元に送り届けてやってくれないか?」

今度は木場が喋る。

「そう、じゃあ、やってみるかしら?」

「おう!」

俺はイッセーを光の楯で覆う。物質化した俺の光は、俺が霊力を流さない限り効力を発揮しない。まあ、それでイッセーを覆い、さらにその上から霊力の籠った膜で覆う。光は悪魔にとっての毒だからな。工夫しないと。

「これで大丈夫だと思うわ。少しでも痛かったら言いなさい。かけ直すわ」

「ありがとう。それじゃあ、行ってくる!」

イッセーは俺の結界を抜け、アーシアの元に走る。
それを捉えたアーシアは、大きく息を吸った。

「ああああぁぁぁぁッッ!!」

アーシアが絶叫のような大声をあげる。その声は『破軍歌姫(ガブリエル)』を通り、衝撃波となってイッセーに襲い掛かった。

「がっ!」

「イッセー!」

イッセーは一気にこっちまで吹っ飛ばされてきた。イッセーに心配そうに駆け寄るリアス。
そういえば、あれもあったな。音による衝撃波。『破軍歌姫(ガブリエル)』は確かに戦闘向きの『天使』ではない。だが、全く戦え
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ