20years ago ”Beginning of the world”
#04
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などから手に入る『チェストドロップ』の二分される。ランクが高いほど強力なアイテムとなり、神話級アイテムは全てが、『サーバーにひとつしか存在しない』ユニークアイテムだ。ボスモンスターを撃破すれば大抵の場合伝説級以上のアイテムが手に入る。βテスト期間中には、結局『聖典級』までしかプレイヤーの手には渡らなかったという。なお、手に入っていないランクが明らかになっているのは、『SR004』のひっそりとした公式サイトに記された、簡潔な情報によるものである。
一方の《メイド品》は、その名の通り《プレイヤーメイド》……つまりはプレイヤーが製作したアイテムだ。『神器級』『宝具級』『公器級』『名器級』『良器級』『粗器級』の六ランクに分けられ、《アイテム作成》系統のクラスやスキルを取っているプレイヤーが作成できる。ちなみに特定クラスやスキルを取っていない者が製作を試みると、ほぼ100%の確率で『廃器級』と呼ばれるいわゆる『失敗作』がつくり出されてくる。
ちなみにランクが高いアイテムには『装備可能レベル制限』が設けられているため、手に入れたからと言ってすぐに使えるようになるわけではない場合もある。
初期装備は全てが粗器級だし、初期の所持金額で購入できるアイテムも粗器級の物が限界だ。その中にあって、この店で初期に購入できるアイテムはその多くが良器級であり、もっと金を集めてレベルを上げれば、さらに強力なアイテムを手に入れることができる。ユキハルがβ時代、最終的に所持していた《機動銃》は《名器級》の最上級品だった。
キャラクターデータが消滅、と言うよりは《初期化》してしまった今、かつての武器たちはユキハルのもとにはない。だから、少しずつβテスト時代の装備に近づけていき、最終的には追い越すのだ。今度は一か月こっきりではない。もっと長い冒険が待っている。
そんなことを考えながら、武装の装着を終えたユキハルが、ふとユウリを見ると、彼女は呆けた表情でユキハルを見つめていた。
「……ユウリ?どうした?」
「……カッコいい。ユキハルって、イケメンさんだったんだね」
「……は?」
ユウリはちょっと赤く上気した頬を手で覆うと、
「だって!ユキハルすっごいカッコいいんだもん!私ユキハルのこともっと好きになっちゃった」
「そ、そりゃどーも……」
返答するユキハルの声は多少揺れていた。それはそうだ。好きな女の子に褒められて嬉しくない男子はこの世にはおるまい。
「おーおー、熱いね、近頃の若者は……」
「うるせー。……それじゃ、行って来る」
「おう、気を付けろよな。また買い物頼むぜ」
ウルクスに手を振ると、ユキハルはいまだに興奮気味のユウリを伴って店を出た。ラテン街を抜けて、目指すのは露店地区だ。《玉座》のメ
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