暁 〜小説投稿サイト〜
とある物語の傍観者だった者
8話:幻想御手
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 なんとなく予想はしていた。別に応答する必要もなかった。

 絶対に面倒事に巻き込まれるのが予想できたから。

 ここであの子達と縁を切ることだって可能だ。正直、その方がいいかもしれない。その方がお互いのためかもしれない。

 でも、身体は勝手に動いていた。

 何かに期待して、何かにしがみつきたくて……手が、指が通話ボタンを押してしまっていた。

 そして、開口一番に少女は告げた。

『初春さんが木山に攫われたわ』

 そうか、それは残念だったな。

 でも、初春たんは無傷だろう。

 それをオレは知っている。アニメで見たから。

『木山は車で逃走したらしいんだけど、高速でアンチスキルと抗戦になっているらしいわ』

 木山春生(きやまはるみ)

 先日の脱ぎ女である学園都市の科学者である。

 大脳?とAIM拡散力場の研究をしているそうだ。だからこその今回のレベルアッパー事件の黒幕であったりする。

 それで、初春たんは不幸にも黒幕が誰か悟ってしまったので、口封じのため誘拐された。

 だから、そんな初春さんを助けに行くために、御坂美琴という、この事件を解決するヒーローは俺に言う。

『だからアンタはその能力で車を運転して今すぐ追っかけなさいよ! お願い!』

「オレをパシリにすなっ!!」

 まさか、このオレが中学生にパシられるとは思いもよらなかった。

 まぁオレの能力なら無免許でも車を運転するぐらい可能だがな。

 でも、まさかのお願いをされてしまったから、あまり拒否できなかった。

「あーもう、これで手伝うの最後だからな! それと、オレは戦わない。お前が木山を止めるんだ!」

『分かったわ。ありがと』

「ふん、別にお前らのためにするんじゃないんだからな!」

『お、おう……このツンデレめ』

 ツンデレじゃねぇし!

 まぁ、車に命令するだけだしな……戦うとかそういったものはないだろう。

 オレは外に出ては、そこら辺の駐車場に止めてある手ごろなやつを選んでは…【オレのために働け。まずは御坂美琴の所まで行け】と、命令して車を発進させた。

 ぬ、盗んだワケじゃないよ??

 車は拝借しただけだから! ちゃんと後で持ち主に返すから!!




 そして、御坂たんを街中で拾って……

「おっそい! もっとスピード出しなさいよ!」

「だったらタクシー拾って行けよ!!」

 安全運転第一だ。

 交通事故は本当にシャレにならない。つーか、無免許だし。

 なので、信号は守りつつ、しかし高速に入ってからはスピード出して木山のいる所まで走った。

 そして、車から降りたビリビリ中学生は、

「ふむ
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