決戦への準備
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≪1回戦 3日目≫
この戦いは相手の情報を入手することに大きな意味があり、そのためには学園でも1日1日注意深く調査をする必要がある。
アリーナに入ってしまえば、その日の学園での調査はやり直すことが出来ない。
そして現実の世界ではないとはいえ、そこにいるのは生きた人間。その日に起こっていることが翌日も起きるとは限らない。
だからこそアリーナに入る前には学園内を調査し、他者の話に耳を傾けるのを習慣にしなければならないのだ。
「えっと、確か、図書室はこっちだったはず…………ん?」
昨日の戦闘で得たことを調べるため、図書室にむかって2階の廊下を歩いていると、遠くで慎二の声が聞こえてきた。
『あの男、早速揉め事を起こしているようだな』
あまりに慎二らしく、思わず苦笑してしまう。
『何か情報が得られるかもしれないぞ、慎二だしな』
「……行けばいいんだろ? 行けば」
溜め息をついて慎二の声の方へと足音を忍ばせて近寄る。
目的地であった図書室の方で早速慎二と遠坂の姿が目に映った。
何やらもめてそうな雰囲気だが、おそらく慎二の方から噛み付いたのだろう。遠坂の方が噛み付くのは絶対にないからな。
『さて、それでは盗み聞きでもするとしよう』
それもいいな。あの様子ならきっといくつか情報を零してくれる。図書室で慎二のサーヴァントの情報を集めるつもりだからちょうどよかった。判断材料が増えるのは、素直に嬉しい。幸い慎二はこちらに背を向けているし、ばれる心配はないだろう。
「君はもう、アリーナには入ったのかい?なかなか面白いとこだったよ?ファンタジックなものかと思ってたけど、わりとプリミティブなアプローチだったね。神話再現的な静かな海ってところかな」
慎二は遠坂にマシンガントークで話しかけているが、遠坂自身は笑顔のまま話を聞き流しているように見える。あっ、こんな風に話を聞き流してる時は会話すること自体が嫌がってる時だ。慎二とは余程会話したくないらしい。
『あのような分かりにくい話は凛にとってうっとおしいだけの騒音と変わらん』
「騒音はいいすぎだろ…………」
しかし、アーチャーの言う通り無理にカッコいい言葉や難しい単語を使おうとしているように思える。そのため、内容がいまいち分かり辛い。こう言ってはなんだが、小さな子供が関心を引こうと必死になっているようにも思えた。
「いや、シャレてるよ。海ってのはホントいいテーマだ。このゲーム、結構よく出来てるじゃないか」
……………予想はしていたが、本当にゲームと思っているらしい。その様子にはさすがに呆れてつい嘆息しそうになる。
「あら、その分じゃいいサーヴァントを引いたみたいね。アジア圏有数のクラッカー、マトウシンジ君?」
そし
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