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Fate/EXTRA IN 衛宮士郎
決戦への準備
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そう愚痴りながら歩くと古ぼけた甲板に出る。そして、その中心に二つのアイテムフォルダが置いてあった。
一つには礼装が入っていて、もう一つに手を当てると、パキンと何かが砕けた音が響きわたる。
同時に宝箱からは何やら赤っぽい煙が立ち上っていたような気がするが、構わずに箱を開く。中には、古びた書物があった。

(これだな慎二が隠した本ってのは…………)

隠すほどのものなので何が書かれているのか気になったので、中身を見てみよう。ざらっと目を通すと、真っ先に黄金の鹿号(ゴールデン・ハインド)という文字が目に入った。
昨日調べた中にこの言葉があったけ。確か、世界一周をする時の船の名前だったはず。
やはり、彼女はフランシス・ドレイクで間違いなさそうだ。昨日の情報だけである程度わかったが、これでさらに確信を得た。
俺に、このことを知られたくないため慎二の性格からして、おそらくは最初はこれを壊そうとしたけど、無理だから隠したってところか。手記が航海日誌である事を確認するとパタンと閉じる。

「やれやれ、こんなものをわざわざ自ら探してくれるとは、私があのような演技をせずとも良かったな」

そういうと、アーチャーは俺達がやってきた方向を睨む。その十数秒後、古ぼけ難破した甲板の上には息を切らした慎二と、その後を悠然と歩いてくる敵サーヴァントの姿を現した。息を整えた慎二が口を開く。

「く、くそ。随分必死じゃないか。だけど、ここまでだ。さぁ、その本を返せよ。そうすれば命だけは助けてあげるよ」

「返せもなにも、勝手に図書室から本を盗んだのは、慎二の方じゃないか」

「貴様、他人の所有物を勝手に盗むのは犯罪のいうことを知らんのか?全く、常識にかけているな」

「ハッハッハ、言われちまったなシンジィ?」

「う、うるさい!お前はこっちのサーヴァントだろう!!」

ムキになってサーヴァントを叱責する慎二。だが、その言葉にも彼女はケラケラと笑うのみ。銃を構え直すと、その視線を俺たちへと映す。

「ふんふん、そっちは準備万端ってトコかい。さて、指揮官殿? アタシに合図をおくれよ。報酬分はきっちり働いてやるさ」

「チッ、言われないと何もできないのか……まあいい、力の差をみせつけろライダー!!大砲で蜂の巣にしてやれ!!」

千切れるのではないかとも思える勢いで腕を振り、怒鳴るような大声でライダーに指示を下す。慎二が叫ぶと同時に彼のサーヴァントであるライダーの身体から魔力が溢れる。

「そういう事だ。悪いね〜」

「なに、気にするな。こちらとしても決着が付けられるならソレに越した事はない」

アーチャーも同じように干将・莫邪を投影し構えをとった。次の瞬間、互いの獲物が放たれ、弾きあう音が開戦の銅鑼となり、空間が赤
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