決戦への準備
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確な事実。負けた瞬間、本当にしんでしまうだろう。そう思ってしまったせいで
「なんでそんなに笑っていられるんだ!人の命がかかっているんだぞ!!」
怒鳴るように声や荒げてしまった。しまったと思った時にはもう後の祭り。笑っている白野の顔が驚きの顔になっている。
(何をやってるんだ俺………)
悩みが解決しないからと言って、人にあたってしまう自分に自己嫌悪になった。しかし、
「そんなの馬鹿らしいからにきまってるからさ」
「おい、馬鹿らしいだって!!」
白野の対応に、思わず、掴みかかりそうになった。白野の目は、先ほどとは違い、真剣な表情そのもの。
「だって、ここで誰が死のうが自分には関係ない。むしろ、どうでもいい」
「なっ!?」
今までの何処か、ふざけている態度から一変し、氷のような冷めた目になる。まるで今すぐにでも俺と殺し合いを始めるようとする、そんなイメージがおれの頭をよぎらせるほど………。
「大体ここに参加した以上、生きるかしぬかの二択しかない。遊び半分だとすぐに死ぬんだよ。死にたくなかったら、俺たちには、戦うしかないんだ。そこに理由なんかいらない」
「戦うしかない……………」
でも、なんのために?俺には、正義の味方という爺さんから受け継いだ夢がある。しかし、この戦いはその夢にとっては、まさに鬼門。他者を殺して、自分が生き残る。それができるかどうかが勝ち抜くためには必要な条件。
「そういうこと。それじゃそろそろいくね。じゃあ、また」
白野は、学食の時同様、懐から取り出した端末を操作して、瞬間移動のように消える。白野が消えた後も、俺は立ち尽くすしなかった。
(なあ、遠坂。俺はどうしたらいいと思う?)
今はいないあいつに尋ねても返事が帰ってくることはない。ここにいても、何か変わるわけでもないのでマイルームにもどることにした。
「帰ってきたか。そろそろ対戦が始まる。礼装やアイテムなどにも、気を配っておけ」
いつも通り、椅子に座り偉そうな態度のアーチャー。
「…………ああ、わかったよ」
「元気だけがとりえの貴様が、暗い顔してどうした?」
「…………これから、人を殺すかとしれないのに、元気なわけないだろ」
「ふむ。確かに少なくとも、勝ち抜く事と慎二を殺す事はイコールだ」
殺す。命が終わる。それは取り返しのつかないことそれをしなければならないという事なのか。勝たなければ死ぬ。理性は理解しているが、殺す事を拒否する心はいまだにある。
時間だけが無情にもすぎていく。
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