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ンなので、多分彼らに関する情報も持っているかと思います」

 さて、と刹那は呟くと、ハリンの持つ二本の刀を見た。

「ハリンさん、少し」
「え?うわっ!?」

 刹那が突然、ハリンの手を握ってくる。数秒ほど目を閉じていた刹那は、にわかに目を見開くと、呟いた。

「なるほど……これが《双刀》のデータですね……分かりました」

 刹那が手を離す。そしておもむろに、彼女は言った。

「ID【グリーア・イクス・アギオンス・オブザーバゼロ】より、アクセス《マスターズ・メモリア》。モードを《ヴァイオレットドレス》から《レッドドレス》に移行。技術情報を《鎌》から《双刀》に変更します。同時に使用武器を《ラティカペインR2》から《超震動神格装備試作二号機》に変更。実行します(スタート・オン)

 瞬間――――刹那の装いが変わった。薄紫色のコートはドレスめいた真紅のコートに変わり、黒いスカートは、同色のフレアスカートへと変貌。ブーツの代わりに銀色のグリーヴが出現。同時に腕の部分の服も変化。グリーヴと同色のガントレットが装備される。持っていた鎌は消滅し、代わりに水色の光の刀身をもつ、二ふりの刀が出現した。髪はショートカットからポニーテールに、銀色がかった髪色は朱色がかったものに変化し、目の色もオレンジから翡翠色に変わる。

 ふぅ、と髪を払う刹那は、まるで戦乙女の様であった。

「これでいいでしょうか……。鎌よりはこまわりが効くと思います」
「あ、え、あ……はい」

 何を言ったらいいのか分からないハリンは混乱するのみである。つくづく思うが、この少女はSAOのシステムを真っ向からガン無視しているのではないか……否。しているのだ。

「それでは、お兄様を探しに行きましょう。まずはこの層を突破することからですね」

 妹がこれなのだ――――兄とは一体どのような人物なのであろうか。ハリンは先行きが不安になって、こっそりため息をついてしまった。

 
 ***


「ハ―――――ッハッハハハハハハハハ―――ッ!!!イェャッハァ!!」

 一方そのころ、噂の兄は別階層の迷宮区で乱舞中であった。ここはアインクラッド第七十四層迷宮区ボスの部屋。アツヤのいた七十五層は最前線の為、別の階層に移るには迷宮区を下って行かなければならない。

 回廊を下って最初に入るのは、正攻法とは逆で《ボスの部屋》だ。この階層のボスは本来、キリトが二刀流の一撃でほふった山羊頭の悪魔、《ザ・グリームアイズ》。だが――――

 今、この部屋の主は全く違う存在であった。

「グォォォ―――――ン……」

 シャノンの巨剣に斬りつけられ、《ソレ》が悲鳴を上げる。石像のようにも見える、サイのような恐竜の様なそのモンスターは、非常に巨大だ。S
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