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機動戦士ガンダムSEED DESTINY〜SAVIOUR〜
第一話 記憶を失う騎士
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力は、きっとオーブの軍人から受けたものだろう」
ナオト「なっ、そんな、どうして!!?」
オーブ…。
それは彼女が幼い頃に…両親が存命していた時に住んでいた国。
デュランダル「オーブの姫、カガリ・ユラ・アスハは…オーブにとっては、まるで神にも等しい存在だったそうだよ」
レイ「…神…ですか……?」
デュランダル「そう、神さ…その神に近付く、彼は…きっと彼らにとっては邪魔だったんだろう」
ナオト「そんな、理由で…!?」
本当に、下らない理由だと議長は心の中で嘲笑った。
その下らない理由が、どれだけ彼を傷付けただろう。
今もきっと、オーブでカガリ・ユラ・アスハと共にいるだろう、キラ・ヤマト、ラクス・クライン。
彼らは許されて、その民間人にも等しい彼らを守ってきた軍人の彼が、どうして淘汰されなければならないのか。
デュランダル「彼には全く抵抗の跡が見られない。縄や手錠の跡がないからね。甘んじたんだろう」
ナオト「どう、してですか…」
デュランダル「…彼は、守ることに固執したらしいんだ」
ナオト「まも、る…?」
デュランダル「そう。このプラントを裏切ってしまうのなら、その分彼らを命をかけてでも守ろうと」
レイ「……」
デュランダル「それほどまでに大事だった。そしてそんな裏切り者の自分が彼らの傍にいられるなら、と…きっと甘んじたんだろう」
レイは思わず、今だ眠っているその病的なまでに白いアスランの肌に触れた。
体温の低い、自分より尚低いその温度。
アスラン・ザラという人物像が、レイには分からなかった。
敵にも味方にも、大切なものを作ってしまった人。
それを泣く泣く選択して、そしてその選択した方に裏切られ、傷付けられ。
それすらも、受け入れて。
レイ「…哀しい人…ですね」
レイは思わず呟いてしまう。
ナオトは目に涙を浮かべる。
不器用だけどとても優しいアスランが下らない理由で傷つけられたことに。
悲しくて仕方がなかった。
アスラン「う…ぅぅ…っ」
ナオト「アスラン!!」
身じろぎしたアスランに反応したナオトは直ぐさま、アスランのベッドに駆け寄る。
アスラン「…?」
ナオト「大丈夫…?」
アスラン「だ…れ……?」
ナオト「え…?」
アスランの発した言葉にナオトは目を見開いた。
彼は何を言っている…?
ナオトの瞳に、じんわりと水の膜が覆った。
レイと議長の瞳がうっすらと細められた。
アスラン「お、れは…誰…?何で分から、ない…?」
レイ「ギル…これは…記憶喪失では?」
デュランダル「うむ…」
議長は静かにアスランに歩み寄る。
アスラン「おれ…お、れ…」
デュランダル
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