第二話 あんなの、ありえない
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。とりあえず今日は顔合わせだけ。プリキュアになるのは急ぎじゃないから、今日は私たちの存在と、さっき倒した奴らの存在を知ったところで終わりにしとこう!いっぱい話されても混乱しちゃうもんね。」
「う、うん。」
そんな感じでいいのか。いやでも待てよ。待て待て待てよ。もしかしてもしかすると、これってさ、これってこれってさ、夢が覚めようとしてるんじゃない?いや確かにね、確かに私にはずっと意識があったよ。でも私二つパターン考えてたよね。そうそう、これが超非現実的な現実のパターンと、私が超危険な昏睡状態のパターン。これ、私意識回復してきてるんじゃない?必死に家族とか友達が私に声をかけてるんじゃない?あ、何かそんな気がしてきた。ほら、遠くから私の名前を呼ぶ声がするようなしないような!正直しないけどたぶん合ってる!がんばれ私!目覚めろ私!こんな意味わかんない夢なんて、早く覚めちゃえええ!!
「じゃあ地上に戻るね。」
―ピュン!
「これ、渡しておくね。これがあればいつでも私たちと連絡がとれるから。あ、因みに今地上の時刻は15時だよ。学校から帰ってた時間とほぼ同じだろうから、親御さんも特に心配はしてないと思う。それじゃあ、またね。今日はありがとう!」
―ピュン!
・・・突然右手に渡されたおもちゃのような謎の携帯電話は、午後三時の風を受ける私の頬と一緒に、いきなり現実を実感させた。そして同時に私は我に返った。
「・・・いや、まだ。」
私は足早に家へ向かった。心臓がバクバクしてる。これは早歩きをして息が上がってるからか?いや違う、これは緊張状態だからだ。何でって、さっきまで何となく過ごしていた夢のような時間が、実は現実だったって、凄くシンプルに証明されてしまったから。絶対ありえないと思っていたから割と軽く考えていたというのに、何だこの超現実的な世界は。超非現実的な携帯電話は。待ってくれ、私は今何を考えたらいいのだ。いや何も考えられない。なんにも考えられない!!今私の顔は絶対強張ってる。青ざめてる。体は汗だく鼓動はバクバク。周りから見たら確実に「お譲ちゃん大丈夫かい!?」状態必至だ。家に帰ろう、とりあえず家に帰ろう。そしたら何かわかる。そしたらとりあえず落ち着く。落ち着いて、家族を見て、そんでもう一度冷静に考えよう。私が今どんな状況にあるのかを。
「ただいま!!!」
「おかえり。あらどうしたのキコ、何かヤバイわよ。」
「だ、大丈夫だよお母さん。私特段ヤバくないよ。」
「そう?ならいいけど。」
いつも通りのお母さんだ。階段を上がると妹がいた。
「おかえりお姉ちゃんどうしたの?何か、え、お姉ちゃんどうしたの?」
「ただいま。どうもしてないよ。お姉ちゃん別にどうもしてないよ。」
「そう?ならいいけど・・・。」
―バタン
いつも通り
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