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機動6課副部隊長の憂鬱な日々
外伝
外伝1:フェイト編
第15話:終焉
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向ける。

「そうだけど、それが何か?」

フェイトが訝しげにそう答えると、エメロードは俯いてくつくつと笑い始める。
フェイトとゲオルグが唖然として見ていると、だんだんと笑い声が大きくなり
やがて狂ったように大声をあげて笑い続ける。

(どうしよう・・・この状況・・・)

さすがにどうしたものか困ったゲオルグがフェイトに目を向けると
同じく混乱していたフェイトと目があう。

「ねぇ、フェイト・・・・・」

どうするべきか相談しようとゲオルグが声をかけようとしたとき、
突然にエメロードの笑い声が止んだ。
驚いたゲオルグとフェイトが再びエメロードの方に目を向けると、
エメロードは腹を押さえてヒーヒーと喘ぐようにしていた。
しばらくして息を整えるように何度か深呼吸をすると折り曲げていた
上半身を起こす。
そして、薄気味の悪い笑いを貼り付けた顔でフェイトを見た。

「そうかそうか・・・・・君がプロジェクトFの落とし子か。 くくっ」

喉の奥で笑いながらエメロードがそう言う。

「・・・何がおかしい?」

半オクターブほど低い声でフェイトがエメロードに問う。
その言葉の中には怒気がはっきりと込められていた。
隣に立つゲオルグも怒りを込めた目でエメロードを睨みつけた。

2人の怒りのこもった目線にもひるむことなく、エメロードは
フェイトの問いに答えを返すために口を開く。

「いや、こんな偶然もあるものかと思ってね・・・・・」

「偶然・・・?」

笑みを深くしたエメロードの発する言葉の意味するところを量りかね、
眉間にしわを寄せたゲオルグが呟く。

「意味が判らないという顔だな」

ゲオルグの呟きに反応してゲオルグの方に目を向けたエメロードは
唇の片方を吊り上げてニヤニヤと笑いながらそう言うと、
次いでフェイトの方に目線を向ける。

「まさか、君もわからないのか? フェイト・テスタロッサ」

「・・・どう言う意味?」

揶揄するような口調で話しかけてくるエメロードに対して
フェイトは苛立ちを隠そうともせずに問い返す。
そんなフェイトの言葉に対してエメロードは失望したとでもいうかのように
肩をすくめて大げさに首を横に振った。

「やれやれ、嘆かわしいね」

そう言ってわざとらしくため息をつくと、エメロードは
部屋の入り口に立つ少女に目を向けた。

「君のお姉さんはずいぶんと薄情だよ」

眉間にしわを寄せて困ったような表情を作って少女に向かって話しかけるが
少女のほうはエメロードの言葉に対して特に反応を示すこともなく、
ただ立ってエメロードの方を見つめるだけだった。

「お姉さん・・・? どういうこと?」

「ここまで言ってまだ判らな
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