第五十話 思春期C
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ものすごく強かになってきて、ちょっとばかり寂しいです。
「俺が知っている範囲でいいなら、クイントは魔力でブーストをかけてからの高速攻撃に続く連続技を習得。この前はベルカの学校の模擬授業で、大量の犬神家を量産したらしい」
間。
「メガーヌは魔力を円盤状に練り上げて高速回転させ、対象を切断する能力に特化した魔力弾を開発したらしいよ」
間。
「……何か弁解することはあるか?」
「ノリって怖い。クイントがサマーソルトをやっていた時代が懐かしい」
「現実逃避をするな」
スパンッ、と理数の教科書が俺の頭にクリーンヒットした。おい、なんでわざわざ理数で叩いた!?
「俺が今まで技を受けてきた感じ、クイントに関しては下手に近づかない方がいいと思うぜ。遠距離から複数で攻めていくべきだ」
「いつもツッコミで吹っ飛ばされている、ランディの言葉なら信頼できるね」
その信頼性はどうかと思うぞ、アレックス。
「ごほんっ…。とにかく、僕たちのアドバンテージはアルヴィンの転移と、リトスの召喚獣だ。この2つが、僕たちが勝てるかもしれない最大の要素に変わりはない。リトス、召喚獣の種類は何体いるんだ?」
「2体と1体」
「……その1体、何?」
「非常食用で――」
「全部で3体だな」
この子、本当にたくましくなったわ。ティオがいなかったら、作戦会議はたぶん破綻していたんじゃ…、ということは考えないでおく。
「とりあえず、責任とってアルヴィンは、クイントかメガーヌの相手をしてもらうとして」
「えッ、軽くルナティックルートを決定された!?」
「うわぁー。頑張れよー、アルヴィン」
おい、ランディ。お前だって筋肉バ○ターが見たい、ってクイントに言っていたのを俺は見たからな。
「ランディはクイントでいいな。一番耐久性があるし」
「ちょッ、ティオォ!? 俺はまだクイントの拳に愛を感じられるまでのレベルに達していないぜッ!?」
「それ達したらまずいんじゃね」
「自主的にMを目指す人は初めてだよ」
色々絶句した。
あーだ、こーだ話し合った結果、借りた黒板には大量の文字が躍った。だけど、なかなか決まらない。正直方向性は見つけても、具体案が全く出てこないのだ。思えば、俺たちの中に純戦闘に向いたやつなんていない。ティオールが唯一、俺らの中で近接戦の授業や戦術の授業を取っているが、1人の考えじゃ広まらないだろう。
何かいい案はないか。向かい合いながら唸りまくる俺たち。そんな時、目をつぶり、静かに腕を組んでいるアリシアに気づく。その口元には、何故か笑みを浮かべているようであった。
「アリシアは、なにかいい案が思いついたのか?」
俺の言葉に、みんなの視線がアリシアに
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