第五十話 思春期C
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勝利条件は主に2つ。1つ目は対戦相手をすべて倒すこと。2つ目は制限時間まで多く生き残っていたチームの勝ち、という至ってシンプルなものだ」
「初等部の集団戦だし、それが一番わかりやすいな」
ティオの説明に、ランディはうんうんとうなずく。個人でどれだけ撃破しても、最終的に生き残った数で負けたら意味がないのだ。個より全を取った感じだな。これが中等部になると、大将を決めて、いかに相手の大将を倒すのかという戦略性も競い合うことになるらしい。
初等部は、外野なしのドッジボールのような感じだろう。生き残りが多い方が勝ち。生き残りが少ない方が負け。確かにシンプルである。
「ちなみに個で負け、と判断されるのは主に6つね。ライフが0になること。意識を失うこと。合戦用の結界の外に出ること。反則行為を取ること。先生から危険と判断され止められること」
「あとは、自分の魔力量が完全に0になってしまった場合だね」
メリニスとアリシアの補足に、みんなで腕を組んで考える。こうして改めてルールを確認すると、倒すだけが全てじゃないっていうのがわかる。それでも、クイントたちをその6つの条件のどれかに当てはめるには、なかなか骨が折れるだろう。
しかも、あいつらが反則や危険な行為をするとは思えないから、実質4つだ。一番難しいのは、相手のライフを0にすることだろう。削りきる前に、俺たちがやられる可能性が高い。残った3つの条件で攻めていくのが定石か。
「……クイントかメガーヌをノックダウンできそうな人は手をあげてー」
「いたら悩んでいない」
ごもっとも。
「あっ、でも『ぎゅうにくさん』ならいけるんじゃない?」
「……アレックス、ナイス。そうだ、今回は召喚術もレアスキルも個人持ちのデバイスもいけるんだったよな」
アレックスの発案に、ランディは手をポンッと打つ。全員の目がリトスに向くと、彼は少し考え、静かに首を縦に振った。俺たちでは無理でも、異界の存在なら可能性はある。オスなのに、リトスの世話ばかりしまくっていた所為で、母性本能に目覚めかけ『ニューミノさん』になりかけていたぎゅうにくさん。ようやくオスらしいことができそうです。
世話係の印象が強すぎて忘れていた。確かに見た目はバリバリ戦闘系だったよ、ミノさん。
「……あと、すごく今更だけど。レアスキルが使えるなら、アルヴィンの転移で場外アウトにもできるんじゃ…」
『……あっ』
俺含め、全員が声をあげた。普段の使い方の所為で、素で忘れていました。
『作戦会議A 戦力把握について』
「ところでアルヴィンは、クイントたちにどれだけ余計なことを吹き込んだんだ?」
「ティオ、最近辛辣過ぎね」
「君だけ特別だよ」
何その悲しい特別感。友人が
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