第五十話 思春期C
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…。結婚式でケーキ入刀とかをする時も、こんな気持ちなんだろうか。
「アルヴィン、また横道に逸れていることを考えていないか」
「ティオ、お前……俺がウエディングケーキについて考えていることが何故わかった…!」
「君の思考回路だけは永遠にわからないと思うから安心しろッ!」
怒られた。とりあえず、ちゃんと集中します。ごめんなさい。
「話を続けるよ。魔法合戦は、学校で選ばれた50人が出場する団体競技だ。補欠に5人ほど選ばれるが、基本ほとんどの参加者はCランク。それに15〜20人ぐらいDランクがいるって感じだろう。クイントとメガーヌ以外にそこまで名前を聞く相手がいないから、向こうもこちらと同じ感じだろうね」
魔法合戦の参加は強制ではないが、Cランク以上は先生から声をかけられる。学校側としても最も盛り上がる競技だし、一応ここ魔法学校だしな。しかも対戦相手は他校であり、当然勝ちに行きたいだろう。高ランクは参加拒否を言わなければ、ほぼ参加枠に入ると思っていい。
あとは自主的に参加したいやつが入るので、士気は高い。拒否権はあるので、やる気がないやつはもともと試合に出てこない。こちらもむこうも条件としては、ほとんど同じようなものだろう。
「DSAA公式魔法戦競技会が、発足してから5年。競技会が開発した個人計測ライフポイント形式。これを学校側が公式に取り入れたことで、限りなく実戦に近い魔法戦になる」
「管理局の訓練でも使われているんだってな」
ライフポイントは、公式試合用のタグがあり、それで管理されている。初期数値が最初に出され、そこに攻撃がヒットしていくとダメージが算出されるのだ。そして、ライフが0になると敗北になる。
ついでに、この戦闘形式が公共施設で受け入れられているのは、安全性が高く、非常に画期的なものだからだ。実戦的な戦いをお互いに手加減なく行うことができ、それによるダメージはすべて魔力ダメージとなる。後遺症も残さず、試合が終わった時点でダメージ付加が解除される仕組みとなっていた。
そしてこれが管理局でも取り入れられている最大の要因だが、なんと打撲や脳震盪、感電などの身体的ダメージを本物のように感じられるのだ。身体に蓄積されたダメージ付加も表現されるため、実戦感が半端ない。非殺傷設定を信条とする管理局員は、殺傷設定を持つ犯罪者と戦うことがあるため、その訓練に役立つ。なにより、非殺傷設定ということで、人を傷つけることへの抵抗感を無くさないようにした配慮もあるらしい。
初等部を卒業したら、すぐにでも就職する奴だっている。学校として、魔導師になろうと将来を見据えているやつに道を踏み外してほしくない。魔法合戦に学校側がこの形式を取り入れたのも、そんな思惑があるのかもしれない。
「魔法合戦の
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