第五十話 思春期C
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代表になります。下級生のお手本となりながら、自分自身を磨いていきましょう」
初等部高学年。最終学年になった俺たちは、この学校の顔のような存在となる。俺がまだ1年生だったころは、レティ先輩たちがこの学校の顔だった。そうか、俺はあの時の廃スペックトリオたちと同じ年代になったのか。そう思うと、少し感慨深くなるものだ。
あの時は、本当にすごかったよなぁー。確かレティ先輩の作戦から阿鼻叫喚が生まれ、そしてベルカの学校に英雄が誕生した。あの光景は今でも思い出せ…………あれ、その時と同じ年代になった? ということは、俺たちが参加する競技も当然―――
「今年はみんなが『魔法合戦』に出場しますね。ベルカの学校の高学年と、魔法を使った集団戦となります。勝利を目指して、頑張っていきましょう」
『…………』
先生の話の後、友人たち全員と自然と目があった。ベルカの学校の高学年と対戦。しかも運動会の模擬戦形式とはいえ、かなり本格的な試合。目を瞬かせる妹。無言で首を横に振る少年A。顔色が悪い少年B。腹を抑えだす少年C。何かを考え込んでいる少年E。祈りだしたメェーちゃん。
初等部と中等部の最高学年が参加する、恒例の大イベント。ミッド式vsベルカ式の学校との戦い。それはつまり、俺たちクラ校勢vsクイントとメガーヌという恐ろしい対戦カードであった。俺たちの方が数が多い? それはこの場面では、あまり意味がない。……はっきり言って、あの2人は別格に強いのだ。
「……クイント、前に確か陸戦Aランクを取ったって言っていたよな」
「メガーヌも来年ぐらいには取れそうらしい」
「11歳でAランクとかすごいよね」
ランディ、ティオール、アレックス、と順番に対戦相手についての情報を話していく。お通夜のような空気が漂う放課後の時間。俺たち7人は教室に集まり、机をくっ付け、話し合いをしていた。
原作を知っている側からすると、Aランクってすごいの? と思ってしまうだろう。実際にSランクやらAAAランクがポンポン出ていたんだ。その原作で一番下のランクが、確かAランクのユーノさんである。そのため俺は、そこまでAランクが珍しいとは思っていなかった。母さんがSランクの魔導師だったのも原因の1つだろう。Aランクの着ぐるみ軍団もたぶん入っている。
だけど、それでもはっきり言わせてもらう。マジですごかった、Aランク。
「魔力量ならアルヴィンはAA+だよね」
「魔力量だけ、ならな。俺自身の戦闘力を魔導師ランクで表すなら、たぶんBぐらいかな。レアスキルを含めても、B+がぎりぎり限界だろう。陸戦も空戦もそこまで高い適性はないんだ」
メェーちゃんの言葉に、俺は自身を振り返りながら答える。俺は空戦適正はまだある方だから、空戦Bまでならたぶん頑張れば
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