第五十話 思春期C
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いつものような日々を当たり前のように過ごしていると、俺はふと考えてしまうことがある。
あれ、どうしてこうなってしまったのだろう。何がそうさせてしまったのだろうか―――という感じの疑問だ。そして原因を思い浮かべてみると、あら不思議。やべっ、もしかして……という心当たりが出てきてしまう。そんな体験を経験したことはないだろうか。
自慢ではないが、俺はこういう経験が何故か多い。後々何故あんなことをしてしまったのか。何故あんなことを言ってしまったのか。そんな風に考えたことが、何回もあるのだ。単に学習していないだけだろ、と言われればそれまでだと思う。だけど、言い訳を許してくれるのなら、俺にだって言い分はある。
ぶっちゃけ、俺の予想を斜め上にぶっ飛んでいくやつらが多すぎるのだ。
自分にとっては何でもないことでも、相手にとっては、周りにとっては違うかもしれないことはよくあることである。だからこそ、言葉というものは気を付けて使わなければならない。それは俺だってわかっている。……わかっていても、どこらへんがターニングポイントだったのかなんて、後にならなきゃわからないことなんだ。
それは、後悔なのかもしれない。あるいは、懺悔なのかもしれない。だけど、やってしまったことに、言ってしまった言葉に、きちんと義務を持たなければならないと思っている。だから俺は、斜め上に突き進んでしまった結果に、後悔しないことを決めている。受け止めることが大事だと思ったからだ。
……過程までは俺も一緒に楽しんでいたことが多かったから、否定できないのが一番の理由だったりするけど、胸にしまっておこう。
「だからこそ、俺は後悔はしない。だって、クイントが格ゲーの技を色々披露してくれた時は、マジで感動したんだから!」
「君がそういう余計な知識をクイントたちに吹き込むから、運動会がやばいことになったんだろうが」
だって見たかったんだよ。羅生門とかレイジングストームとかが見れた時は、俺は本気で涙を流したぞ。魔法ってすげぇよ。そしてそれを実現させてしまうクイントがやべぇよ。メガーヌにも余計なことを言ったかもしれない。2人とも、あんなにスペックが高くなるなんて思っていなかったんだ。
なによりもそんな相手と、……運動会の競技とはいえ、敵対するなんて考えていなかったんだよッ!
******
俺たちクラ校勢に訪れた、初めての危機。それは今日の朝、夏休みの宿題だった「観察日記」を返却してもらった後に先生が発した言葉がきっかけであった。それにより俺たちは、今自分たちがどれだけまずい立場にいるのか、気づいてしまったのだ。
「さぁ、皆さん。ついに運動会の季節が来ましたね。今年はみんな初等部の高学年として、この小学校の
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