第二幕その十一
[8]前話 [2]次話
狐のことが気になってです、皆は平安神宮に向かう途中も日本の狐についてあれこれとお話をするのでした。
「狐って怖いけれど」
「そうそう」
チープサイドの奥さんとホワイティがお話します。
「私達を食べるからね」
「怖いなんてものじゃないわ」
「けれど日本の狐はね」
「揚げの方がずっと好きなのね」
「そうなんだよね、確かに君達も食べてね」
王子はチープサイド達にもお話します、その車の中で。
「鼠の天麩羅も好きだけれど」
「迷惑なことね」
ホワイティは王子が狐は鼠の天麩羅も好きだと聞いて顔を顰めさせて言いました。
「それは」
「そうだね、けれどね」
「まずは揚げなのね」
「日本は揚げがあるともうそれで満足するんだ」
鳥や鼠よりもずっと好きだというのです。
「狐の神様もそれが好きなんだ」
「稲荷明神だね」
先生は狐の神様と聞いてこう言いました。
「あの神様だね」
「そうだよ、日本ではかなり有名な神様なんだよね」
「あちこちに庵があってね」
それでだというのです。
「有名な神様だね」
「それだけ日本は狐のお話が多くて親しまれてるんだ」
「それ狸もだよね」
こう言ってきたのはお馬さんでした。
「何か日本では狸も親しまれてるんだよね」
「うん、そうだよ」
このことにも答えた王子でした。
「狸の庵はないけれどね」
「それでもなんだね」
「日本人は狸も好きだよ」
そうだというのです。
「たぬきそばもあるんだ」
「たぬきそばはね」
先生はたぬきそばについてもお話しました。
「関東と関西だと違うんだよね」
「あれっ、そうなんだ」
「そうだよ、実はね」
「じゃあどう違うのかな」
「関西では。八条学園のたぬきそばもそうだけれど」
まずは関西のたぬきそばからお話する先生でした。
「油揚げが乗っているんだ」
「じゃあきつねうどんがおそばになったものだね」
「そうなんだ、関西のたぬきそばはね」
「じゃあ関東のは」
「天かすを入れているんだ」
これが関東のたぬきそばだというのです。
「地域によって違うんだよ」
「へえ、そうなんだ」
「油揚げを乗せたそばをきつねそばという地域もあるし天かすを入れたうどんをたぬきうどんという地域もあるよ」
「そういえば八条学園は幾つか食堂があって」
トミーも言います。
「その食堂はどれも」
「関西なんだろうね」
八条学園が関西の神戸にあるからです。
「薄味だっていうしね」
「そうだったんですね」
「お好み焼きもあるけれど」
日本のお料理のこれはどうかといいますと。
「大阪だよね」
「そうそう、八条学園のお好み焼きは大阪風だよ」
王子もそうだと言います。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ