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ドリトル先生と京都の狐
第二幕その十
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「今しました」
「狐もいるかもね」
 王子もジップの言葉にそれもあるだろうと言うのでした。
「そちらもね」
「いるんだ」
「だってここは木々も多いし」
 王子は南禅寺の外の道の周り、少し坂になっていてお店もあるその木々のところを見てこうジップにお話します。
「小さな動物もいるしね」
「だからだね」
「狐がいてもおかしくはないよ」
「そうなんだ」
「それに京都は昔から狐や狸のお話も多いから」
 そうしたお話もというのです。
「狐は昔から多いよ」
「ふうん、そうなんだ」
「それで人を化かしたりするんだ」
 このこともお話する王子でした。
「だから狐の匂いはね」
「特に気にしなくていいんだ」
「ジップは狐を狩ったりしないね」
「僕はそういう犬じゃないよ」
 犬は狐狩りに加わるものです、イギリスでは狐狩りはスポーツの一つでもあります。先生は狩り自体をしませんが。
「先生も狩りとか嫌いだしね」
「動物を狩って遊ぶことはね」
 どうもとです、先生も言います。
「好きじゃないからね」
「そうだよね。日本では狐狩りはしないから」
「あっ、そうなんだ」
 先生は王子から日本では狐狩りというスポーツ自体がないということを聞いて明るい笑顔になって言いました。
「狐狩りもないんだ」
「うん、そうだよ」
「それはいいことだね」
「先生もそう思うよね」
「そういえば日本の狐は」
 今まで読んだ日本の本からです、先生は気付きました。
「イギリスの狐とはまた違うね」
「そうでしょ、何か可愛いでしょ」
「調べてみたら日本の狐は小さいしね」
「鳥よりも油揚げが好きなんだ」
「そうそう、日本の狐は油揚げが大好きなんだよ」
 先生はこのことも知ったのです、日本の狐は人を化かして驚かせることと油揚げが大好きなのです。イギリスの狐とは本当に違うのです。
「悪戯をしたら絶対にばれて怒られてね」
「可愛いよね」
「中国でも狐はよく話に出るけれどね」
 その中国の狐ともまた違います、日本の狐は。
「可愛いね」
「先生も好きになってるね」
「いいと思うよ、日本の狐は」
「狐の匂いがしたのは」
 ジップがその匂いを嗅いだのはどうしてか、王子はここで南禅寺の前にうどん屋さんがあることを見て言いました。
「うどん屋さんのきつねうどんのせいかな」
「あっ、きつねうどんは揚げを乗せているからね」
 トミーがここで言いました。
「だからだね」
「そうだよ、どうしてきつねうどんと言うかっていうのもね」
「揚げを乗せているからだね」
「そうだよ、それでだよ」
 狐の大好物の揚げを乗せているからです、だからきつねうどんなのです。
「勿論狐もきつねうどんは大好物だよ」
「そこまで揚げが好きなんだね、日本の狐は」

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