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IS インフィニット・ストラトス〜普通と平和を目指した果てに…………〜
number-15
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生徒会室。
ここには文字通り生徒会役員が書類を纏めたり、今度行われる学年別タッグトーナメントの主催運営のために入念に準備を続けていた。だが、そちらの方ばかりを優先していたために生徒会業務の方を疎かにしてしまって書類を溜めてしまっていたため、必死にその山を崩しているところだった。


だが終わらせるには圧倒的に人手が足りなかった。まずは生徒会長である更識楯無。仕事を投げ出す癖があるのだが、今回ばかりはまじめに仕事していた。そして、書記である布仏虚は見た目通りの仕事ぶりを発揮していた。だが、さすがの虚も書類の多さに疲れが顔に出始めていた。ちなみにもう一人、生徒会書記の虚の妹で一年の布仏本音がいるのだが、姉である虚曰く、居ると逆に仕事が増えるとのことで仕事をほとんどさせないで、楯無の妹である更識簪の従者を務めるようにと言いつけてあるのだ。果たしてその仕事もちゃんとこなせているかは曖昧であるが。


「うあぁー……腕痛い」
「我慢してください、お嬢様。今目の前に積まれている山で終わりですから」
「あーい……」


うだーと机に体を一旦預け、だらっとするとすぐに体を起こして書類に取り掛かる。そんな楯無の姿に虚は若干驚いていた。
いつもであれば、もうすでに投げ出して何処かに消えてしまうものなのだが、今日に……いや、今年に入ってからはそんなことは無くなった。一体何があったのだろうか。気分屋である楯無のことだからやる気があるだけなんだろうと勝手に思っていたが、そんな理由ではない。もっと、それでこそ親が死んでしまって、これから心機一転したとかぐらい出ないと説明がつかない。


虚の前にある書類の山はだんだん少なくなっていく。楯無の前にある書類の山は、虚の二倍はありそうではあるが、減るスピードも虚以上の速さで見る見るうちになくなっていく。


虚は再び自分の山に目を戻す。いつの間にか自分の山も半分程度になっていた。考え事をしながら仕事をしているとたまに間違えてしまったりすることもあるが、今回はそんなこともないかもしれない。
楯無の方が間違えることが多いのだが、最近はほとんど間違いを犯すことも無くなってきて逆に虚の方が間違えることが多いのかもしれない。おかげでいつもどこか気が抜けていたが、最近はいい刺激になっている。


書類を消化しつつ、虚は気になっていることをどうしても知りたくなってきたため、思い切って聞いてみることにした。


「お嬢様」
「虚ちゃん、そう呼んじゃダメって言ってるでしょ?」
「申し訳ありません。……一つ聞いてもよろしいでしょうか?」
「どうしたの?」


いつも通りの敬語に苦笑いしながらも書類を消化していた腕を止め、クルクルと手首をまわしてぽきぽきと小気味いい音を鳴らしてから顔を虚に向ける。そ
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