暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜十一番目のユニークスキル〜
唯一無二の不確定因子
第十一話 不意打ち
[2/3]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
・・・・・なら、これならどうだ!?」

 PoHは床を蹴り、赤黒い刃を地面スレスレから振り上げる。それをアリスは横にステップして避け、着地と同時に反撃を浴びせるために、左から右へと剣をふるう。

 が、PoHも頭を下げて回避し、命を削るべくその血で濡れたような刃で鋭い一撃を浴びせてくる。

 その二人の攻防は一見すると互角に見えるが、若干ながら少しずつアリスが押され始めていた。釣り合っていた天秤が傾くように・・・・・・



 そしてその時は当然のごとくやってきた。



 時間が立つにつれ防戦一方となっていくアリスに向け、PoHはダメ押しとばかりに、刀身にブルーの光を灯した。左からの弧を描く水平斬りから、ぐるりと九十度回転。PoHの手が柄を押し上げ、刃がてこのように跳ね上がって垂直に切り裂く。
 三連撃の内二撃までは受け切ったが、最後の一撃に反応が遅れ、剣があらぬ方向に弾かれてしまった。

「しまっ・・・・・・!!」

 それを見たPoHはニヤリと笑ったかと思うと、肩口から胸を切り裂く軌跡でタガーを振り下ろした。

 その時PoHは勝利を確信をした。避けることも受け切ることも状況的に不可能だと。



だからこそ



なぜその状況で



アリスの口許が笑っているのか



不可解だった。



 アリスはその一撃にギリギリで剣を割り込ませた。そしてそれを受け止めるのではなく、剣を滑らせそのまま横に流した。突然のことにPoHは初めて体制を崩した。そのスキを見逃すはずもなく、アリスは懐に入り込んで首元に静かに剣をあてた。

「まさか受け流しをされるとはな・・・・・・」

「切り札は最後まで取っておくものです・・・・・・このまま大人しく黒鉄宮に行きなさい」

「はい、わかりました、と俺が言うと本気で思うのか?」

「ならばこれを使うまでです」

 アリスはそう言って刀身が緑に濡れた細身のナイフを取り出した。

「終わりです」

 そのナイフを振り下ろそうとした瞬間PoHはこう呟いた。

「お前がな・・・・・・It`s show time」

「なにを――」


グサッ


 その先の言葉を最後まで言う前に嫌な感触がアリスの背中を襲った。すぐさま後ろを振り向こうとするがその前に全身の力が抜けて、その場に崩れ落ちた。視界の右隅の自分のHPバーを見ると、麻痺状態を示すグリーンに点滅する枠に囲まれていた。

「PoH。危なかったんじゃないの?」

 後ろからPoHを茶化すような口調で銀髪の男が突如現れた。手にはまがまがしい緑色の刃のナイフを握られていた。アリスを麻痺させたのはあれだろう。

「ハッ!笑わせんな。受け流しされたの
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ